
2009年7月の国連安全保障理事会の主な動き(議長国:ウガンダ)
不拡散/北朝鮮
- 6日、非公式協議終了後、4日(日本時間)に北朝鮮が実施した弾道ミサイルの発射を関連国連決議の違反として非難し、北朝鮮に対して安保理決議の完全な遵守を求める旨のプレス向け発言が行われた。(なお、16日、北朝鮮制裁委員会議長より安保理議長に対し、決議第1874号主文24の規定に従い決議第1718号及び第1874号の措置の対象となる5団体、5個人及び2品目を指定し、追加的な指定のための作業を継続することを決定した旨の書面による報告があった。)
アフガニスタン
- 15日、アフガニスタンで8月に行われる選挙(大統領選挙・県議会選挙等)が自由、公正で信頼できるものとなることの重要性を強調するとともに、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)の強化方針に対する支持を表明する旨の議長声明(S/PRST/2009/21)が発出された。本件議長声明は我が国がリード国としてとりまとめにあたった。
ネパール
- 23日、国連ネパール政治ミッション(UNMIN)のマンデートを2010年1月23日まで6ヶ月間延長する決議第1879号を全会一致で採択した。
コートジボワール
- 30日、国連コートジボワール活動(UNOCI)のマンデートを2010年1月31日まで6ヶ月間延長する決議第1880号を全会一致で採択した。これに先立つ23日、チョイ事務総長特別代表より大統領選挙に向けた準備等につきブリーフが行われた。
スーダン
- 30日、ダルフール国連AU合同ミッション(UNAMID)のマンデートを2010年7月31日まで12ヶ月間延長する決議第1881号を全会一致で採択した。
- これに先立つ24日、ダルフール情勢に関する討論が行われた。多くの理事国が、UNAMIDの更なる強化を要請。また、ダルフール問題は政治的取組によってのみ解決されるとして、バソレAU国連合同首席調停官やカタール等の仲介努力を評価、全ての関係者が和平交渉に参加するよう要請。
- 17日には非公式協議にてル・ロワPKO局長より、南北包括和平合意(CPA)関連のブリーフが行われ、議長がアビエ問題等に関しプレス向け発言を行った。
旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)/ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)
- 7日、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)に関する決議第1877号とルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)に関する決議第1878号をそれぞれ全会一致で採択し、上訴審判事の任期の延長につき、本年末までに再検討すること等を決定した。
インドネシアにおけるテロ
- 17日、インドネシア・ジャカルタで起きたテロ攻撃を最も強い表現で非難する旨の議長声明(S/PRST/2009/22)が発出された。
ソマリア
- 9日、ソマリア情勢に関する公開会合が行われた。その際、ソマリア暫定連邦「政府」(TFG)に対する攻撃を非難し、ソマリア治安組織への支援を要請し、アフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)による貢献を称え、武装勢力への支援を行う者に対して制裁を課すべく安保理に要請するAU総会のコミュニケに留意する旨の議長声明(S/PRST/2009/19)が発出された。
- 29日、ソマリア情勢に関する公開会合が行われ、アブダラ事務総長特別代表等よりブリーフィングを受け、各国から引き続き不安定な治安姿勢に対する懸念が示された。
国連西アフリカ事務所(UNOWA)
- 10日、西アフリカでの平和と安定に向けた進展への歓迎、憲法に基づかない政府の変更に対する深刻な懸念の表明、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、AU及び国連の共同努力への歓迎、UNOWAに対する国連及び地域・準地域機関間の協力促進継続の要請等を内容とする議長声明(S/PRST/2009/20)が発出された。7日には、ジニット事務総長特別代表よりUNOWAの活動につきブリーフが行われた。
コンゴ民主共和国
- 10日、ドス事務総長特別代表より最新の現地情勢につきブリーフを受け、非公式協議の後、国連コンゴ(民)ミッション(MONUC)への完全な支持の表明、3月23日合意の履行の呼びかけ、武装グループによる活動・文民への攻撃・人権侵害等に対する懸念の表明、不処罰の闘いに関してコンゴ(民)政府が最近とった措置への歓迎の意の表明等を内容とするプレス・ステートメントが発出された。
シエラレオネ特別法廷(SCSL)
- 16日、シエラレオネ特別法廷(SCSL)のウィンター裁判官及びラップ検察官によるブリーフが行われ、テーラー元リベリア大統領の裁判の状況などにつき説明した。引き続く討論では多くの国がSCSLの意義を評価、残余メカニズムの設立の必要性や、資金不足の問題に言及した。
チャド・中央アフリカ
- 28日、アンジェロ事務総長特別代表よりブリーフが行われ、チャド・中央アフリカ共和国における治安情勢と政治情勢、チャド・スーダン関係、国連中央アフリカ・チャド・ミッション(MINURCAT)の活動状況や、統合治安部隊(DIS)の今後の見通し等につき説明。
ミャンマー
- 13日、潘基文事務総長が同月初頭に行ったミャンマー訪問の結果につきブリーフを行い、アウンサン・スー・チー女史との面会が認められなかったことにつき失望を表明しつつ、事務総長がミャンマー当局関係者に申し入れた、国際社会の期待(2010年の選挙を包括的、自由且つ公正なものとすること等)が実現されることを期待している旨述べた。引き続く討論で各理事国より、事務総長の周旋努力への支持が表明された。
中東情勢
- 27日、公開討論が行われ、安保理15カ国に加え、イスラエル、パレスチナ、アラブ諸国等計30カ国・地域がステートメントを行った。フェルナンデス=タランコ政務局次長より、6月26日のカルテット(米、露、EU、国連)会合の成果、入植地凍結(含む東エルサレムのユダヤ人用住居の問題)、ネタニヤフ政権による西岸の移動・アクセスの改善の動き、ガザの現状、9月の国連総会の際に次回カルテット会合が開催されること等を説明。
紛争後の平和構築
- 22日、公開討論が行われ、紛争終了直後から平和構築に取り組むことの重要性等を指摘する議長声明(S/PRST/2009/23)が発出された。