
2009年6月の国連安全保障理事会の主な動き(議長国:トルコ)
不拡散/北朝鮮
- 12日12時10分頃(NY時間。日本時間13日1時10分頃)、安保理は、5月25日(日本時間)に北朝鮮が実施した核実験を強く非難し、北朝鮮に対し、更なる核実験及び弾道ミサイル技術を利用した発射を行わないことを要求し、全ての弾道ミサイル計画関連活動の停止・核兵器並びに既存の核計画の放棄及び関連活動の即時停止を決定するとともに、北朝鮮に対する制裁措置として、1)武器禁輸の強化、2)輸出入禁止品目の疑いがある貨物の検査の強化、3)資産凍結、モニタリング等の強化による金融資産の移転の抑止や、新規援助及び貿易関連の公的資金支援禁止の要請といった金融面の措置、制裁委員会の強化などを盛り込んだ内容の決議第1874号(和文・英文(PDF)
)を全会一致で採択した。
グルジア
- 15日、国連グルジア監視団(UNOMIG)のマンデートを、2009年6月30日まで(2週間)延長する決議案が賛成10か国(含む日本)、棄権4か国、反対1か国(露)により、否決された。右を受け、UNOMIGのマンデートは6月15日をもって終了した。
UNDOF
- 23日、ゴラン高原に展開する国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)のマンデートを2009年12月31日まで6か月間延長する決議第1875号を全会一致で採択した。
ギニアビサウ
- 23日、ムタボバ事務総長代表(RSG)がブリーフィングを行い、最新の政治・治安情勢や国連ギニアビサウ統合平和構築事務所(UNIOGBIS)設置に関する事務総長提案等につき説明。
- 26日、国連ギニアビサウ平和構築支援事務所(UNOGBIS)のマンデートを2009年12月31日まで延長することを決定するとともに、事務総長に対し、2010年1月1日から当初12か月間の期間で国連ギニアビサウ統合平和構築事務所(UNIOGBIS)を設置するよう要請する決議第1876号を全会一致で採択した。
イラク
- 18日、ダーヴォトゥール・トルコ外相を議長として、討論が行われ、デ・ミストゥーラ事務総長特別代表(SRSG)のブリーフィングに続き、各国が発言。イラク政府の民主主義・法の支配の強化及び・治安・公の秩序の改善等安全への取組を評価し、国連イラク支援ミッション(UNAMI)の活動に対する完全な支持を再確認するとともに、UNAMIが果たす重要な役割を強調する旨の議長声明(S/PRST/2009/17)を発出した。
アフガニスタン
- 30日、決議第1868号に基づく3か月毎の事務総長報告の提出を受けた討論が行われた。
旧ユーゴ/ルワンダ国際刑事裁判所(ICTY/ICTR)
- 4日、ロビンソンICTY所長及びバイロンICTR所長、ブランメルツICTY検察官及びジャローICTR検察官より、両裁判所の活動状況や完了戦略に向けた取組の説明が行われ、これを受けて議論が行われた。
スーダン
- 5日、オカンポ国際刑事裁判所(ICC)首席検察官からの第9回定期報告があり、これを受けて意見交換が行われた。
- 11日、ホームズ人道問題担当事務次長が、3月の国際NGO追放措置以降、現在までにスーダンと国際社会がとった対応と今後の課題等につきブリーフィングを行った。
- 19日、非公式協議において、スーダン制裁委員会議長(オーストリア常駐代表)より、安保理に対する90日毎の定期報告が行われた。
シエラレオネ
- 8日、フォン・デア・シューレンブルク事務総長執行代表(ERSG)がブリーフィングを行い、3月の政党支持者間の衝突事件とこれに対する主要政党の対応等の政治・治安情勢や、在シエラレオネ国連機関による共通戦略等について、各理事国の発言が行われた。
ブルンジ
- 9日、マムード事務総長執行代表(ERSG)が最新の現地情勢につきブリーフィングを行った。
不拡散(イラン)
- 15日、決議第1737号委員会(イラン制裁委)議長たる我が方高須大使より、安保理に対する90日毎の定期報告を行った。右において、議長より、イランからの武器の供給等を禁止した決議第1747号違反の事例につき、二カ国に対し改めて情報提供を求める書簡を発出した事例等を報告した。
コソボ
- 17日、討論が行われ、冒頭ザニエ事務総長特別代表(SRSG)がブリーフィングを行い、欧州法の支配ミッション(EULEX)展開後、規模を縮小した国連コソボ暫定統治ミッション(UNMIK)の活動状況等について説明。その後、イェレミッチ・セルビア外相及びヒセニ・コソボ外相がそれぞれ発言を行った後、各理事国から発言が行われた。
ソマリア
- 19日、ソマリア暫定連邦「政府」の治安「大臣」が自爆テロにより殺害されたことを受け、右テロ行為を非難するプレス・ステートメントが発出された。
国連中央アジア予防外交センター(UNRCCA)
- 19日、非公式協議にて国連中央アジア予防外交センター(UNRCCA)のイェンチャ所長より同センターの活動に関するブリーフィングが行われ、その後、同センターの活動を評価するプレス・ステートメントが発出された。
中央アフリカ
- 22日、パスコー政務局長がブリーフィングを行い、2010年の選挙に向けた準備と同国北部の不安定な治安状況、DDR・SSR進展の必要性、国連中央アフリカ共和国平和構築事務所(BONUCA)の統合平和構築事務所(BINUCA)への移行計画等について説明した。
中東情勢
- 23日、セリー中東和平特別調整官によるブリーフィングに続き、非公式協議において各国より中東和平の現状につき発言が行われた。各国からは、概ね、6月4日のオバマ米大統領のカイロでの演説(二国家解決にコミット)、14日のネタニヤフ首相演説(条件付きでパレスチナ国家容認)への各々の立場が示された。
紛争下の文民保護
- 26日、半年に1回行われる紛争下の文民保護に関する公開討論を開催。
PKO
- 29日、PKOにおける要員派遣国と安保理との関係等を焦点とする討論を開催。
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