
2009年3月の国連安全保障理事会の主な動き(議長国:リビア)
アフガニスタン
- 23日、安保理は、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)のマンデートを2010年3月23日まで(12か月間)延長する決議第1868号を全会一致で採択した。本決議は、我が国がリード国として起草・調整を行ったものであり、アフガニスタンにおける国際的取組の調整にあたってのUNAMA及び事務総長特別代表の中心的役割を再確認している。
- また、右採択に先立つ3月19日、安保理は本件に関する討論を行い、カイ・アイダ事務総長特別代表や発言国は、今夏の大統領選挙の重要性、アフガニスタンに関する国際社会の取り組みや地域協力等につき指摘した。
イラン制裁委員会(決議1737委員会)の報告
- 10日、議長である我が方高須大使より、同委員会の活動に関する定期報告(90日毎)を行った。加盟国より、武器等の積荷に関する事例の通報とともに安保理決議違反か否かにつき照会があったことに対し、同委員会より回答を行った事例等についても報告した。
ハイチ
- 11日から14日にかけて、安保理ミッションがハイチを訪問し、プレヴァル大統領等のハイチ首脳との会談、国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)関係者等との協議、及び現地視察を行った(我が方高須大使参加)。本件安保理ミッション訪問の結果については、同ミッション団長(コスタリカ常駐代表)より19日の会合で報告された。
アフリカにおける平和と安全
- 18日、決議第1809号に基づき設置された、アフリカ連合(AU)による平和維持活動への国連による支援の在り方に関する国連・AU合同パネルの報告書を受けた公開討論を実施。安保理は、右報告に関心を持って留意しつつ、事務総長に対し、パネルの勧告の評価を含む報告の提出を要請する議長声明(S/PRST/2009/3)を発出した。
ソマリア
- 20日、オマル・ソマリア暫定連邦「政府外務大臣」及びラマムラAU平和安全保障委員の出席を得て討論が行われた。政治プロセス、治安情勢、アフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)支援、海賊対策について議論が行われた。
スーダン
- 20日、スーダン政府による国際NGO退去処分を受けた現地の人道情勢につき、事務局のブリーフと討論が行われた。スーダンは今次決定の撤回はあり得ないと強調した。
ギニアビサウ
- 3日、安保理は、ギニアビサウのヴィエイラ大統領とタグメ参謀総長の殺害を非難する議長声明(S/PRST/2009/2)を発出した。
中央アフリカ
- 10日、討論が行われ、発言したファル事務総長特別代表、平和構築委員会国別会合議長(ベルギー)、中央アフリカ代表はそれぞれ、中央アフリカにおける国連統合事務所の設置に関する事務総長の勧告を歓迎した。
コソボ
- 23日、討論を開催。ザニエ事務総長特別代表が昨年11月以降の情勢につきブリーフを行い、タジッチ・セルビア大統領、ヒセニ・コソボ外相(個人資格で参加)、及び各理事国が発言。EULEXや国連コソボ暫定行政ミッション(UMMIK)の地位や役割、治安や法の支配等の諸問題につき、それぞれ見解を表明した。
ボスニア・ヘルツェゴビナ(BH)
- 25日、安保理は、和平履行評議会・運営委員会(PIC・SB)によるインツコBH新上級代表を任命する旨の決議第1869号を全会一致で採択した。
中東情勢
- 25日、公開討論においてパスコー政務局長より現地情勢に関するブリーフが行われ、シャルム・エル・シェイクでのガザ復興支援会議後の支援メカニズムの明確化が課題であるとした上で、カルテットと国際社会が一体となって行動し、ガザ地区の安定及び和平プロセス再生を図ることの重要性等を強調した。