
国際司法裁判所(ICJ)「コソボ独立宣言の国際法上の合法性事件」
に関する日本の陳述書提出について
平成21年12月
- 我が国は、「コソボ独立宣言の国際法上の合法性事件」に関する陳述書を、その提出期限である4月17日に、在オランダ日本国大使館を通じ国際司法裁判所(ICJ)に対して提出した。
- ICJの審理プロセスにおいてその手続きに従って日本の法的見解を提出することは、日本の重視する国際社会における法の支配の推進への貢献との観点からも有意義であること等を踏まえ、提出したものである。
- 同陳述書においては、コソボの独立宣言自体は事実行為であり、これを規律する国際法はないと解されること、また、コソボの分離独立については、国連を中心とする国際社会の深い継続的関与に特徴付けられた特殊性にかんがみ正当化され得るものであり、関連の国連安保理決議を含め、国際法に照らしても問題はないと考えられるとの立場を述べた(具体的内容は陳述書本文を参照。)本件ICJ勧告的意見の審理手続きは現在係属中である。
【参考】ICJ「コソボ独立宣言の国際法上の合法性事件」勧告的意見に係る経緯
(1) 2008年10月8日、国連総会は、セルビアが提出した、「コソボ暫定自治政府による一方的独立宣言の国際法上の合法性如何。」との諮問内容のICJ勧告的意見を要請する旨の決議(A/63/L.2)を採択。
(2) これを受け、ICJは、ICJ規程第66条2に基づき、同年10月20日付の書簡をもって、当該問題について国連及びその加盟国が陳述書を提出することが可能とし、その提出期限を2009年4月17日に決定するとともに、かかる陳述書を提出した国または機関が他の陳述書に対して意見書を提出する期限を2009年7月17日とした旨を各国政府に対し通報。
(3) 今後、ICJは、総会の本件要請及び各国からの陳述書・意見書の内容を踏まえ、かつ、必要に応じ口頭弁論手続を経た上で、本件勧告的意見を与えるか否か、また、与える場合の内容について検討を行うことになる。