経済外交
WTOサービス貿易交渉・3月クラスター会合(3月20-21日)の概要
平成25年3月26日
各種定例会合においては,技術的な内容に関して幅広い議論が行われた。特に,金融サービス委員会では,各国のプルデンシャル(信用秩序の維持のための措置)政策・規制の事例が紹介された。サービス貿易理事会において,次回(6月)に開催予定の電子商取引に関するワークショップ開催等について意見交換が行われた。
サービス貿易の更なる自由化に関し,我が国を含む有志国による新たな協定の策定に向けた議論を継続。
サービス貿易の更なる自由化に関し,我が国を含む有志国による新たな協定の策定に向けた議論を継続。
1.概要
3月20日から21日まで,ジュネーブにおいてWTOサービス貿易交渉・クラスター会合(注1)が開催。サービス貿易の更なる自由化をどのように進めていくか,各国本国政府から多くの参加者が集まり議論。各委員会及び各部会において議長が選出(注2)。
また,3月18日,19日及び22日には,サービス貿易新協定(仮称TISA(Trade in Services Agreement))に関する有志国会合が開催された(下記3.を参照)。
(注1)WTOサービス貿易交渉は,関連する各種会合を一時期(1週間程度)にまとめて実施しており,これら一連の会合を併せて「サービス・クラスター会合」と称している。
(注2)各委員会,各部会ともに,議長の任期は通常1年で,3月のクラスター会合の機会に選出されるのが最近の通例となっている。
また,3月18日,19日及び22日には,サービス貿易新協定(仮称TISA(Trade in Services Agreement))に関する有志国会合が開催された(下記3.を参照)。
(注1)WTOサービス貿易交渉は,関連する各種会合を一時期(1週間程度)にまとめて実施しており,これら一連の会合を併せて「サービス・クラスター会合」と称している。
(注2)各委員会,各部会ともに,議長の任期は通常1年で,3月のクラスター会合の機会に選出されるのが最近の通例となっている。
2.各種定例会合
(1)サービス貿易理事会
●GATSの通報制度に関して議論。各国からは,透明性を確保する上で,通報は重要な制度であり,引き続きその改善に向けた議論をしたいとの意見が多数。
●6月のクラスター会合中に予定されている電子商取引に関するワークショップに関する意見交換を行った。
●豪州から,サービス貿易新協定(TISA)の目的や議論状況について報告があり,本取組に関心を有するWTO加盟国とも議論したい旨強調した。これに対して,一部の新興国・途上国などからは,一部有志国のみによる部分的な取り組みはドーハ・ラウンド交渉全体に悪影響を及ぼすとして引き続き懸念が表明された。
(2)金融サービス委員会
●金融サービス貿易における最近の進展につき,多くの国が各国のプルデンシャル(信用秩序の維持のための措置)政策・規制の事例を紹介。
●その他,金融サービス貿易と開発や技術的問題などについて議論。
(3)特定約束委員会
●分類問題では,法律サービスの分類方法に関する議論を継続。また,海運サービス,ロジスティクスサービスについていかなる分類がふさわしいかの議論を開始。
●その他,事務局によるBPM6(注:最新のIMF国際収支マニュアル)における知的財産関連製品の扱いについてのプレゼンテーションあり。同マニュアルはIMFのウェブサイト(http://www.imf.org/external/pubs/ft/bop/2007/bopman6.htm)で参照可。
(4)国内規制作業部会
●国内規制に関連した技術的議論を継続。技術基準に関する各国の国内規制措置などを議論。
●分野・モード別規律の議論を開始し,我が国を含む主要国が,建築士,建設・エンジニアリング,法律,会計,教育サービス,第4モード(自然人の移動)に関する各国の国内規制措置などを議論。
(5)GATSルール作業部会
●ウルグアイ・ラウンド終了以降継続協議となっている緊急セーフガード措置,政府調達,補助金について議論。
●GATSの通報制度に関して議論。各国からは,透明性を確保する上で,通報は重要な制度であり,引き続きその改善に向けた議論をしたいとの意見が多数。
●6月のクラスター会合中に予定されている電子商取引に関するワークショップに関する意見交換を行った。
●豪州から,サービス貿易新協定(TISA)の目的や議論状況について報告があり,本取組に関心を有するWTO加盟国とも議論したい旨強調した。これに対して,一部の新興国・途上国などからは,一部有志国のみによる部分的な取り組みはドーハ・ラウンド交渉全体に悪影響を及ぼすとして引き続き懸念が表明された。
(2)金融サービス委員会
●金融サービス貿易における最近の進展につき,多くの国が各国のプルデンシャル(信用秩序の維持のための措置)政策・規制の事例を紹介。
●その他,金融サービス貿易と開発や技術的問題などについて議論。
(3)特定約束委員会
●分類問題では,法律サービスの分類方法に関する議論を継続。また,海運サービス,ロジスティクスサービスについていかなる分類がふさわしいかの議論を開始。
●その他,事務局によるBPM6(注:最新のIMF国際収支マニュアル)における知的財産関連製品の扱いについてのプレゼンテーションあり。同マニュアルはIMFのウェブサイト(http://www.imf.org/external/pubs/ft/bop/2007/bopman6.htm)で参照可。
(4)国内規制作業部会
●国内規制に関連した技術的議論を継続。技術基準に関する各国の国内規制措置などを議論。
●分野・モード別規律の議論を開始し,我が国を含む主要国が,建築士,建設・エンジニアリング,法律,会計,教育サービス,第4モード(自然人の移動)に関する各国の国内規制措置などを議論。
(5)GATSルール作業部会
●ウルグアイ・ラウンド終了以降継続協議となっている緊急セーフガード措置,政府調達,補助金について議論。
3.サービス貿易新協定(TISA)に関する有志国会合
我が国を含む有志国(注3)が中心となり,新たな協定の策定に向け,新協定の中核となりうる条文案,GATSに比して新たな要素となる規律,約束表の書き方などの議論を継続。
(注3)計22メンバー。日,米,EU,カナダ,豪州,韓国,香港,台湾,パキスタン,NZ,イスラエル,トルコ,メキシコ,チリ,コロンビア,ペルー,コスタリカ,パナマ,ノルウェー,スイス及びアイスランドに加え,今次会合から,パラグアイが正式参加。
(注3)計22メンバー。日,米,EU,カナダ,豪州,韓国,香港,台湾,パキスタン,NZ,イスラエル,トルコ,メキシコ,チリ,コロンビア,ペルー,コスタリカ,パナマ,ノルウェー,スイス及びアイスランドに加え,今次会合から,パラグアイが正式参加。
4.フレンズ会合(推進派会合)
(1)海運:我が国議長の下,フレンズ(海運自由化推進国)会合を開催。参加メンバーのFTA・EPA交渉の現状や,今後どのように本会合を進めていくか等について議論。
(2)その他,金融及び航空分野のフレンズ会合が開催。
(2)その他,金融及び航空分野のフレンズ会合が開催。
5.次回クラスター会合
6月17日の週に開催予定。次回会合では電子商取引に関するワークショップが開催予定。
サービス貿易交渉の最新情報や詳細については,以下の外務省ウェブサイトを御参照ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/wto/service/index.html