ODAと地球規模の課題
国際獣疫事務局(WOAH)概要
(World Organisation for Animal Health )
令和6年8月21日
1 組織概要
- (1)通称:World Organisation for Animal Health
(2022年に略称をOIEからWOAHに変更) - (2)本部:パリ
- (3)加盟国・地域数:183(令和6年7月現在)
- (4)事務局長:エマニュエル・スベラン(フランス人)
2 沿革
- (1)1921年にパリで開催された「家畜伝染病予防および研究に関する国際会議」において、家畜伝染病予防および研究の中央機関としてパリに「国際獣疫事務局」を設置することが決議されました。
- (2)1924年、「国際獣疫事務局ヲ巴里ニ創設スル為ノ国際協定」が28か国によって署名されました。我が国は1930年に同協定に加入しました。
3 目的
- (1)世界で発生している動物疾病に関する情報を提供すること。
- (2)獣医学的科学情報を収集、分析及び普及すること。
- (3)動物疾病の制圧及び根絶に向けて技術的支援及び助言を行うこと。
- (4)動物及び動物由来製品の国際貿易に関する衛生基準を策定すること。
- (5)各国獣医組織の法制度及び人的資源を向上させること。
- (6)動物由来の食品の安全性を確保し、科学に基づきアニマルウェルフェアを向上させること。
4 我が国との関係
- (1)農林水産省消費・安全局動物衛生課長が我が国の政府代表を務めています。
- (2)アジア太平洋地域代表事務所は東京に置かれています。
- (3)我が国の拠出金(農林水産省)
- 令和5年度分担金:約3600万円
- 令和5年度任意拠出金:約1億3700万円
- (4)邦人職員数は、本部1名、アジア太平洋地域代表事務所7名(令和6年7月現在)。
5 WOAHの任務の拡大
- (1)世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO協定)付属書1Aの「衛生植物検疫措置の適用に関する協定」(SPS協定)において、動物検疫分野における基準としてWOAH基準(WOAHコード)が使用されることになっています。
- (2)当初のOIEの創設目的である家畜衛生のほか、最近では、野生動物、動物の福祉、食品安全等の問題を扱うようになっています。
- (3)新型コロナウイルスを含め人獣ともに感染し得る疾病の国際的な蔓延等に対処するため、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)、国連環境計画(UNEP)と連携・協力して「One Health」の取組を進めています。