日本の安全保障と国際社会の平和と安定
平和構築分野に関する有識者懇談会(第1回会合)
1 平松総合外交政策局長の挨拶
PKO法施行以来の我が国の取組及び人的貢献の現状について触れた上で,冷戦終結後,紛争後の平和構築の重要性が増す中で,「積極的平和主義」の考えの下,平和構築の分野における我が国の貢献の在り方について検討することは時宜を得ている旨述べた。また,外務省において過去6年にわたって実施してきている平和構築人材育成事業についてもレビューし,今後の在り方について検討する必要性がある旨述べた。
2 波多野座長の挨拶
国連代大使を務めていた頃から,国連における日本の存在感が薄い背景には人的貢献が少ないことがあるとの問題意識を有しており,国連事務局やフィールドにできるだけ多くの,そしてなるべく高いレベルの人材を輩出する必要があるとの認識を示した上で,本懇談会においては,平和構築の今後のあるべき姿,そしてできるだけ多くの具体的な問題点を洗い出し,外務大臣がなるほどと納得するような提案を各委員に出していただきたい旨述べた。
3 議論の概要
多くの委員より,平和構築分野を含む国際機関における邦人の人材不足は深刻であり,人材の育成・発掘が急務であるとの現状認識の下,特に平和構築の重要性が増す中で,幅広い分野の文民の人材の送り出しが求められるとの発言があった。また,平和構築分野の人材を育成するにあたっては,長期的なスパンでのキャリアパスを視野に入れ,官民を含めた取組として捉えることが重要であり,限られた資源の中で人材育成の目的をまず特定した上で,事業の在り方を議論すべきであるとの指摘や,外務省の人材育成事業については,開発分野などにおける人材と平和構築における人材との重なりや違いを明確にしつつ,JICA等,他の機関による人材育成の取組についても把握した上で議論すべきであるとの意見があった。
4 第2回会合以降の議題
第2回会合において外務省の現在の「平和構築人材育成事業」の在り方等について議論し,第3回会合以降に平和構築分野における新たな人材育成も含む平和構築・維持等への貢献の在り方等も含めて議論することにつき合意された。