
SWFsと受入国の政策に関するOECD閣僚宣言
(仮訳)
平成20年6月5日
6月4日、5日にパリにて開催されたOECD閣僚理事会において、OECD加盟国の閣僚は、
- SWFsが母国及び投資受入国の経済発展に対し建設的に貢献することを歓迎した。これまでのところ、SWFsは信頼できる、長期的な、商業目的の投資家であり、世界的な金融安定要因であった。
- SWFによる投資が、仮に商業目的よりも政治目的を動機とした場合、当該投資が懸念の原因となり得、正当な国家安全保障上の懸念を惹起し得ることを認識した。
- SWFs、SWFsの母国政府及び受入国政府が参加した国際的な議論を歓迎した。このような議論は理解を深め、相互信頼の醸成に貢献し、経済成長と開発を損ない得る保護主義的対応を避けるのに役立つ。
- SWFsの母国とSWFs自身が、SWFsにおける透明性とガバナンスを強化する措置をとることにより、SWFsに対する信頼を高めることができることを留意した。
- SWFsのベスト・プラクティスに関するIMFの作業を重要な貢献として支持し、OECDとIMFとの継続的な連携を支持した。
- OECDにおいて、SWFs受入国のためのベスト・プラクティスに関して作業してきていることを留意した。OECDとIMFは共に、根本的な安全保障上の利益を保障しつつ、SWFsのための開かれた国際投資環境を維持・拡大するために貢献する。
- OECD加盟国と新興経済諸国の意見を反映した、SWFsと投資受入国の政策に関するOECD投資委員会による報告書を歓迎し、政策の進展に関する相互モニタリングや外国政府に支配された投資についてのより広範な検討をはじめとする今後の作業に期待した。
- 投資委員会による当該報告書に基づき、閣僚は、SWFによる投資の受入国のため以下の政策原則を承認した。これらの原則は、開かれたグローバルな投資環境を促進するという長年にわたるOECDのコミットメントを反映している。これらの原則は、OECD投資インストルメントにおけるOECD加盟国の権利義務と整合的である。
- 投資受入国は、外国投資に対する保護主義的障壁を築くべきではない。
- 投資受入国は、類似の状況にある投資家の間で差別すべきではない。受入国の追加的な投資規制は、正当な国家安全保障上の懸念に対処するため、外国及び国内の投資家双方に対して共通に適用される政策が不十分な場合のみ考慮されるべきである。
- 国家安全保障上の懸念がまさに生じた場合、受入国による投資上の制限措置は、
(1)透明かつ予見可能であるべきであり、
(2)明確に特定された国家安全保障上のリスクに見合っているべきであり、
(3)当該措置適用において説明責任を果たすべきである。