経済

第46回OECD閣僚理事会(概要)

平成19年5月24日

1.5月15日から16日、第46回OECD閣僚理事会が開催され、我が国を代表して、甘利経産大臣、大村内閣府副大臣(経済財政政策担当)、及び浅野外務副大臣が出席した。

2.閣僚理事会では、「グローバル化、成長と公平」、「マクロ経済」、「イノベーションと成長」、「拡大と関与強化」、「貿易」等の議題の下で議論が行われた。会議終了後に、議長サマリー(原文他のサイトヘ仮訳)が発表された。

3.閣僚理事会の各議題における議論の概要は、次のとおり。

(1)事務総長による声明

(2)グローバル化、成長と公平

(3)経済の現況

(4)イノベーションと成長

(5)気候変動(「イノベーションと成長」の議題の下で議論された)

(6)改革の政治経済

(7)拡大と関与強化(詳細は別添参照)

(8)貿易


別添

第46回OECD閣僚理事会(拡大と関与強化)

平成19年5月24日

 第46回OECD閣僚理事会(5月15~16日)において、「拡大と関与強化」が議論され、新規加盟交渉の開始などについて決定された。その概要及び評価は以下のとおり。

1.概要

(1)拡大及び関与強化

(イ)ブラジル、インド、中国、南アフリカ、インドネシアとの間で、将来の加盟の可能性も視野に入れ、関与強化プログラムを通じOECDとの協力を強化する。

(ロ)ロシア、チリ、イスラエル、スロベニア、エストニアの5カ国との間で、OECD加盟交渉準備のための協議を開始する。

(ハ)他の既加盟申請国及び新規の加盟申請国については、将来個別に検討する。

(ニ)OECDにとって戦略的利益の高い国・地域との関係強化策を策定する。対象として、東南アジアを優先的に扱い、加盟の可能性のある国を特定することも視野に入れる。

(2)財政問題

(イ)OECDの安定的な財政基盤を確保するため、受益者負担原則と負担能力原則の双方を反映した形で改革を進める。この改革は、2008年の閣僚理事会前までに合意することとする。

(ロ)財政改革が完全に実施されるまでの暫定措置として、新規加盟国はOECDにおける自国の活動に必要な経費を負担する。

2.評価

(1)今回の閣僚理事会においては、新興経済国がOECDルールに沿って行動することを確保するため、特別に関与強化を進めるとの方向性がはっきり打ち出された。これは、わが国の従来からの主張と一致する。

(2)また、ロシアと加盟に向けた協議を早期に開始するとの決定も、ロシアの政策に肯定的影響を及ぼすことが期待される。なお、今回の決定は、加盟承認とは異なる。加盟の可否を決定するまでには、加盟候補国がOECDの各種ルールや規範を満たすか否かを様々な観点から審査するという過程が残されている。

(3)OECDが中国、インド、ブラジル、南アフリカ、インドネシアとの間で将来的な加盟の可能性も視野に入れて関与強化を図ることを決定したことも、上記(1)の我が国主張と合致したものと評価できる。また、東南アジアが優先的に関係を強化する地域として指定されたことも有意義であった。

(4)加盟国拡大に伴うOECDの経費増の具体的な分担方法については、今回の閣僚理事会では合意に至らなかった。ただし、我が国も提案した、明確な期限を設け、全加盟国が最低限の基礎料を負担すること及び受益者負担の原則に基づいて、新たな枠組みに合意すべしという点については原則的な合意をみた。その結果、明年閣僚理事会前までに財政改革の最終的な形について合意することとなった。

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