広報・資料 報告書・資料

タイ・バンコク・チョンブリ道路建設事業

1.評価対象プロジェクト・プログラム名:
 バンコク・チョンブリ道路建設事業
道路沿線の様子

(クリックすると画像が変わります)

2. 国名:タイ
実施機関名:運輸通信省(道路局)
3.援助形態:有償資金協力
 第一期:89年度 154.97億円
 第二期:93年度 216.27億円
4.評価実施機関名:在タイ大使館
5.現地調査実施期間:2001年3月13日~14日
6.プロジェクト・プログラムの分野:運輸、交通
7.政策目的又は政策の方向性:
 経済基盤整備、特に不足している経済インフラの整備
8.当該プロジェクト・プログラムの目的:
 バンコク・チョンブリ間に高速道路を建設し、その道路の交通量を、1998年:25787台/日、1999年:27349台/日、2000年:29006台/日と予測し、従来の通常道路以外に高速道路を建設することで、道路の渋滞を解消し、ひいては道路基盤整備に資することが目的とされた
9.評価結果:
 当初の計画通り、バンコクーチョンブリ間の81.73キロメートルの道路の建設がなされ、現在は料金を徴収する都市間高速道路として開通済みである。事業の妥当性に関し、第6次5カ年計画(1987-1991年)において、混雑道路の容量増強、殊に東部臨海地域開発計画を支援する道路網を整備することが重点項目とされ、タイ経済の発展のためには優先度が高い、妥当な事業であった。
 事業の効果に関し、実際の交通量は、1998年:34047台/日、1999年:33546台/日、2000年:33060台/日、といずれの年も上記予測を上回る交通量が確保され、十分な効果があった。また、チョンブリで有料道路部分は終了するが、当該道路はタイの物流の中心であるレムチャバン港まで伸びており、当該道路建設前は、バンコクーレムチャバン間は2時間半程度の時間を要していたが、道路建設後は1時間半程度と所要時間が大幅に短縮された。更に、途中のラカバンにコンテナ置き場が建設され、物流の集積地としての役割も担っており、地域開発にも寄与している。
10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
 本件道路は既に開通し、予想を上回る交通量を確保している。当国における都市間高速道路はごくわずかな区間しか整備されておらず、当国においては圧倒的に道路網が交通輸送の中心となっていること、また、経済成長に伴い、自動車交通量は、今後ますます増大することに鑑みれば、これら都市間高速道路網の整備に対し、我が国としても各路線の必要性を吟味しつつも適切に援助していく必要がある。
11.外務省からの一言:
 中進国入りを目指すタイに対する円借款については、重点5分野((1)社会セクター支援、(2)環境保全、(3)地方・農村開発、(4)経済基盤整備、(5)地域協力支援)及び各分野における人材育成について中長期的な視点のもとに支援を行う方針である。


このページのトップへ戻る
目次へ戻る