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タンザニア・マラリア対策(現地国内研修、特別機材供与 )

1.評価対象プロジェクト:マラリア対策(現地国内研修、特別機材供与 )
2.国名:タンザニア
  実施機関名:保健省予防局
3:援助形態:98年マラリア対策国内現地研修(研修人数約125名)
97年医療特別機材供与(顕微鏡70台)
4.評価実施機関名:在タンザニア日本国大使館
5.現地調査実施期間:2001年3月
6.プロジェクトの分野:保健・医療
7.政策目的又は政策の方向性:マラリア対策能力向上
8.当該プロジェクトの目的:
 マラリア汚染の著しい地域において、看護婦を対象にマラリア患者に対する看護技術の向上、また検査技師を対象に、もっとも廉価で迅速なマラリア診断法とされるAO法(アクリジン・オリジン法)の習得を目的として、研修を実施し、研修参加者が所属する各医療機関へのフィードバックを図ることにより、マラリア汚染地域における「早期診断、早期治療」の普及に務めることを目的とする。
9.評価結果
 マラリアは、依然としてタンザニア国において頻発する重大な疫病であり、適切な処置を施せば死亡を回避できるにもかかわらず、未だ高い死亡率を示している。この状況を鑑みて、我が国は1993年度よりマラリア対策現地国内研修を5ヵ年実施してきており、この効果の一層の促進及び研修対象の拡大の必要性から、本件が98年度からフェーズ2として採択され実施に移されたものである。
 本研修は、フェーズ2の初年度にあたり、WHOのガイドラインに沿った「早期診断、早期治療」を広く国内に浸透させる上で極めて重要な意義を持ったものと思料される。
 具体的な研修内容は、看護婦75人の参加による看護技術及び知識向上のための研修と、検査技師50人の参加によるAO法習得のための研修に二分される。両研修とも、参加者の研修成果を定量評価しており、研修前後のテスト結果をみると、看護婦研修ではその平均得点が51点から73点へ、検査技師研修では66点から77点へと上昇しており、研修成果がうかがえる。一方で、本研修による定量的評価を実施する上で重要となる、全国レベルの信頼できる疾患データ等は存在せず、また、年毎にマラリア蚊の発生状況も異なること等から、本件に関する評価手法については今後の課題として残されている。
10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
 本研修の柱の一つである看護婦研修については、タンザニア国の評価が高いものの、AO法の推進については、タンザニア保健省担当によれば、「AO法の推進は同省の優先課題であり、当面、同省が中心となって実施したいとの意向を有し、日本の支援は制限的なもので可」としていることから、AO法の推進にかかる研修及び機材供与については、今後検討の必要性があるものと思料される。
11.外務省(本省)からの一言:
 AO法に関する技術協力については、保健省の意向を踏まえつつ、同省と連携して進めていきたいと考えています。


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