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タンザニア・キリマンジャロ州配電網整備計画

1.評価対象プロジェクト名: キリマンジャロ州配電網整備計画

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2.国名:タンザニア
  実施機関名:エネルギー鉱山省、タンザニア電力公社(TANESCO)
3.援助形態:一般プロジェクト無償、1995年度、4.78億円
4.評価実施機関名:在タンザニア日本国大使館
5.現地調査実施期間:2001年3月29日~2001年3月30日
6.プロジェクトの分野:エネルギー
7.政策目的又は政策の方向性:
 キリマンジャロ州総合開発計画の一環として、経済・社会開発の基盤である電気供給施設を改善し、地域の発展と民生の向上に資すること。
8.当該プロジェクトの目的:
 キリマンジャロ州モシ周辺の電化により、未電化地域の電化、待機需要家の解消を図る。
9.評価結果:
 タンザニア政府は、未開発地域の保健、教育、水道、農業、工業開発、電化に高いプライオリティーを置いていたが、同国開発計画の中で、地方電化は、産業インフラの整備と農業の促進に大きな効果があるとして重点を置いていた。キリマンジャロ州は、タンザニアの中でも人口密度が高く、また、コーヒーの栽培では卓越している。
 人口は、120万人(当時)で、彼等の煮炊きのための燃料として木材、すなわち森林伐採が行われ、森林破壊につながるため、これを防止するためにも電化が必要とされた。1977~1978年にキリマンジャロ州で実施した「キリマンジャロ州総合開発計画JICAマスタープラン」をベースにして、日本政府は、キリマンジャロ州に対して重点的に援助を継続して行ってきた。
 配電網の強化により信頼度の向上(停電頻度の減少、電圧変動の減少)が実現された。フェーズ1(有償)、フェーズ2(無償)で、5地区(ムワンガ、ニュンバ・ヤ・ムング、ゴンジャ、マチャメ、サンヤ・ジュウ)の配電網整備を実施、裨益人口は、約50万人である。
 この配電網整備の成果として、配電用変圧器の調達、設置により、電圧低下の状況(低格230Vに対し、190V以下)が改善され、配電の質の向上がなされたほか、農産物の生産量の増加、住民の生活レベルの向上、病院のサービスの向上、街灯による、地域のセキュリティの向上が認められた。
10.提言:
 本計画により、地方における電力開発の実効性が確認されたことから、電力需要の増加に伴い、我が国は引き続き継続的な協力を行っていくことが適当である。その際には、電力需要の変化は急速であるため、実情に合わせた支援を行うために、3~5年の短い期間で実態把握をし、設備増強を行うと共に専門家を派遣する等して、実施機関の設備保守管理の質的向上をも平行して協力することにより、協力効果はより大きなものになると言える。
11.外務省(本省)からの一言:
 タンザニアにおいては、電力以外にも、我が国がリーディングドナーである農業分野、基礎生活分野である給水、保健、教育分野で強力の必要性が高く、各分野のバランスを見つつ協力を進めていきたいと考えています。


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