1.評価対象プロジェクト名:タイ南部小中学校校舎建設計画 |
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2. |
国名: |
タイ国 |
実施機関名: |
(1)バンモダノイ小学校
(2)トランラングサリット中学校 |
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3.援助形態:
(1) |
バンモダノイ小学校 草の根無償資金協力
1998年 69,618USD |
(2) |
トランラングサリット中学校 草の根無償資金協力
1999年 83,330USD |
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4.評価実施機関名:在タイ日本国大使館 |
5.現地調査実施期間:2002年4月9日 |
6.プロジェクトの分野:人的資源 |
7.政策目的又は政策の方向性:
地方部における教育環境の改善 |
8.プロジェクトの目的:
行政の手が行き届きにくい辺境の地の小中学校に対する支援。タイの南部に位置するトラン県下の二つの地域にある学校に対し校舎建設の援助を行った。同県は、沿岸部では毎年モンスーンに見舞われ、生活の基盤は安定しておらず、また進学率も高くない。一方、内陸部の貧しい農村地帯は行政の手の届きにくい地方の一地域でもあり、いずれも基礎教育を受ける環境が十分に整っているとは言えない状況である。バンモダノイ小学校は海外沿いに位置し、雨季には風雨の影響を受け、校舎は雨漏りし、グランドは水に浸かってしまい使えない状況になり、教育環境は劣悪であった。また、幼稚園2クラスと小学校6クラスの計8クラスが運営されていたが、教室は6室しかなく、図書室、用具室、保健室などもなかった。1998年の支援で建設した新校舎は盛り土された土地の上に建てられ、一階がオープンエアーの多目的スペース、2階には教室が4室設けられた。トランランサリット小中学校は我が方が支援する以前は校舎が2棟で合計6教室しかなく、図書室、専用職員室、特別教室等は無かった。今回の支援で2階建て6教室の校舎を建設した。
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9.評価結果:
タイにおける就学率は比較的高いが、教育予算が凍結される中、教育の環境整備が必ずしも十分でない面があった(特に地方部)。本件はタイのニーズに合致し、また、我が国のタイ国別援助計画における社会セクター支援や地方・農村開発(特に地域間格差是正の観点)の考え方から見ても妥当性があったと評価できる。当該プロジェクトにより支援したトランランサリット小中学校は、1999年当時は生徒数が217名だったが高校生は2001年度の在籍生徒数は345名に増加した。2002度は更に421名になる見通しである。
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10.提言:
当該プロジェクト2件は公立の小中学校に対する支援であるが、いずれもNGO団体であるワールドビジョン・タイランドを通して申請されたものである。校舎建設当初から完成にいたるまで、当団体の適切なコーディネートとフォローアップがなされた。信頼のおける第3者機関が仲介者になることはプロジェクトの成功に大きく寄与することから、今後プロジェクトを発掘する際に、こうした団体を利用することは非常に有効であると考えられる。 |