はしがき
本報告書は、2002年度に外務省より委託を受けた「タイ国別評価」調査について、その結果を取りまとめたものである。
タイは、我が国の対東南アジア外交上の重要なパートナーとなっている。また日・タイ両国は、貿易・投資面で密接な相互依存関係を有している。これら外交、貿易、投資上等の緊密な関係を踏まえて、我が国はタイに対し、過去40年以上にわたり積極的な援助を行ってきた。現在、タイは我が国の主要援助対象国であると同時に、タイにとっても我が国が最大の援助国になっている。この我が国の援助についてタイ政府は、2002年の東アジア開発イニシアティブ(Initiative for Development in East Asia: IDEA)会議において提出したペーパーの中で、「ODA、中でも日本のODAは、タイの経済発展、とりわけインフラ整備、人材育成と技術移転に大きく貢献した」と評した。
以上のような状況を踏まえ、本評価調査は、我が国の対タイ援助政策を総合的に分析・評価し、今後の対タイ援助の更なる改善のための教訓・提言を得ること等を目的に実施した。調査は国内調査及びタイにおける現地調査(2003年1月5~25日)からなり、資料分析、日・タイ双方への聴き取り調査及び援助案件の視察等を行った。
本評価調査は次のメンバーによって実施された。
黒田 康之 |
(財)国際開発センター |
主任研究員 |
(プロジェクト・マネジャー) |
大久保 信一 |
(財)国際開発センター |
主任研究員 |
(コーディネーター) |
細川 さわ |
(財)国際開発センター |
研究員 |
(メンバー) |
また、本評価調査実施及び報告書取りまとめに際し、経済、環境、農業等の分野における専門的見地から次の両氏より貴重なご助言を頂いた。
安田 靖 |
拓殖大学 |
国際開発学部 教授 |
(経済分野) |
長谷川 弘 |
広島修道大学 |
人間環境学部 教授 |
(環境・農業分野) |
調査の実施にあたっては、外務省経済協力局評価室をはじめとする同省関係各課、国際協力事業団、国際協力銀行の関係各位より数多くのご指導・ご支援を頂いた。現地調査の実施に際しては、在タイ日本国大使館、国際協力事業団現地事務所、国際協力銀行現地事務所、タイ王国政府機関、国際援助機関の関係各位からも多大なご協力を頂いた。ここに深く感謝の意を表したい。
最後に、本報告書は当センターの責任において作成したものであり、その内容は日本国政府あるいは外務省の見解または立場を反映するものではないことを付記する。
2003年3月
財団法人 国際開発センター
理事長 藪田 仁一郎