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タンザニア・
ダルエスサラーム道路改善計画
(1/2~2/2-1,2期)

 
1. 評価対象プロジェクト名:
 ダルエスサラーム道路改善計画(1/2~2/2-1,2期)

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2. 国  名: タンザニア
実施機関名: 公共事業省
3. 援助形態:一般無償資金 協力金額
・1/2 期: 平成8年度/ 10.89 億円
・2/2-1期: 平成9年度/ 10.68 億円
・2/2-2期: 平成10年度/ 14.36 億円
 合計 35.93 億円
4.評価実施機関名:在タンザニア日本国大使館
5.現地調査実施期間:2002年4月
6.プロジェクトの分野:社会基盤
7.政策目的又は政策の方向性:
 ダルエスサラーム市の人口増加とそれに伴う交通量の増加により市内道路の破損が進んでいるため、道路の改善により交通事情の改善を図る。
8.プロジェクトの目的:
 タンザニアの経済的中心都市であるダルエスサラーム市は、経済成長に伴う都市の規模拡大によって市内の交通量が急増しており、特に都心部において著しい状況となっている。
 当市の道路網は放射状道路が基本的なパタ-ンとなっているところ、放射状道路を結ぶべき中央環状道路は一部が通行不可能と言う様に未整備で、また住宅地区と工業地区や港湾地区の間を結ぶ交通は外郭環状道路又は都市中心部を通過せざるを得ない事も交通量増加の原因となっている。
 また、市内の住宅地区道路の舗装状況は破損が著しく、放置できない状況にあった。これら破損の激しい道路の改修工事は、市民生活の改善の視点からも早急に実施することが強く求められていた。
 このような背景から、以下の道路が改善されることになった。
(1) 1/2 期:市内3地区の地域道路13路線、総延長約15.5km
(2) 2/2-1期:中央環状道路・ニューキゴゴ道路区間(延長2.78km)
(3) 2/2-2期:中央環状道路・モロッコ道路区間の4車線化(延長3.58km)及び欠落区間の新設(0.75km)、 合計4.33km、中央環状道路総延長7.11km
9.評価結果:
<効率性>
 本計画は、全実施期間を通じ予定通り実施された。これはプロジェクトの実施地域が人口密集地でもあり、電気、電話及び水道といった公共施設網や家屋の移転、更に鉄道線路の一時的な切り離し等関係方面との調整やタンザニア側が実施すべき数々の作業があったが、工事に先立ち或いは平行してこれらにタンザニア側が自主的に協力したことが主な理由である。
<目標達成度>
 本道路改善計画の実施、特に道路欠落区間の接続により放射状主要幹線道路3路線を結ぶ市内中央環状道路の機能が整備され、また市内の北部・南部及び港湾地区につながる環状線が整備され、市内中心部を通過せざるを得なかった車輌等が分散され、中心部の混雑の一部が解消された。また、本計画で建設された幹線道路では歩行車道が新設され歩行者の安全確保にも貢献している。
<効果>
 住宅地区内の道路整備がもたらした効果は、市民の公共施設(病院、小学校等)へのアクセスの改善、地区内道路から市内幹線道路へのアクセスの改善、市民の多くが利用している小型バス等の運行の円滑化、等が挙げられる。
 わが国及びタンザニア側の緊密な連携により本件事業が完成したが、単に一つのプロジェクトの実施ということだけでなく、日本・タンザニアとの相互理解の深まりにも役立った、真に援助効果の高い事業であった。
10.提言:
 ダルエスサラーム市内は人口が増加しており、また、ダルエスサラーム市内の道路を整備することはダルエスサラーム港を経由して地方や近隣国への物資輸送にも貢献することから、道路網整備は今後も更に必要とされる。特に、病院等住民が早急にアクセスを要する地区の道路、雨天が続けば通行不可能な道路については、早急に手当する必要がある。


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