これは平成13年度に社団法人世界経営協議会並びに株式会社ブイ・エス・オーが外務省の委託を受けて共同実施した「援助実施体制評価(タンザニア)」の報告書である。
本調査は、我が国が実施している援助全般にかかるタンザニアの援助実施体制及び我が国の現地援助機関の活動状況、他のドナーとの連携状況等を把握し、その現状、問題点を明らかにすること、更に、援助実施体制改善に係わる提言を行い、同国における我が国援助のより効果的・効率的な援助実施体制づくりに資することを目的としている。
タンザニアは、1986年以降、世銀・IMFの支援を得て、金融部門改革、公営企業改革等の構造調整、市場指向型経済政策を推進し、1992年には革命党の1党支配から複数政党へ移行し、民主化を進めている。
これまで多くの経済協力がなされてきたが、GDPの約50%、労働人口の8割を占める農業部門を中心に依然として貧困は深刻な問題である。また、多額の対外債務残高の返済も大きな課題となっている。
こうした状況に対し、経済援助のあり方、経済開発のあり方を提言したへライナー・レポートが1995年にまとめられて以来、タンザニア支援戦略書(TAS)や貧困削減戦略ペーパー(PRSP)が作成され、援助協調、セクター・プログラム・アプローチが議論され、援助環境が大きく変わろうとしている。
こうした環境下で、本調査がタンザニアに対する我が国援助のより効果的・効率的な援助実施体制に貢献できれば幸いである。
調査に当たって、ご協力いただいた各位、ご参加いただいた委員各位の意欲的な調査活動に感謝するとともに、外務省のご指導、ご支援に対し、深く謝意を表する次第である。
最後に、本報告書は社団法人世界経営協議会並びに株式会社ブイ・エス・オーの責任において編集したものであり、日本政府及び他の機関の立場を反映するものではないことを付記しておきます。
平成14年3月
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