(6) 配属先の活動に対するニーズ
図2-23は、「配属先の協力隊員の活動に対するニーズ」の高さを示したもので、配属先のニーズが“高かった”“やや高かった”とした派遣中隊員は50%、帰国隊員は56.7%に留まった。この背景には、要請内容と実際の活動との相違があり、回答で“その他”としている隊員のコメントには「ニーズが最初からなかった」「必要とされていなかった」「要請内容と活動が異なっていた」など厳しい意見が書かれていた。
配属先の位置付け別では、それほど大きな相違は見られないが、派遣中隊員では共同活動型とマンパワー提供型が指導型に比べてニーズが高くなかったとする回答が若干多かった。また、帰国隊員では共同活動型の「ニーズは高くなかった」とする回答が多く、これは前項の「目標の達成度」に比例した結果となった。
図2-25は、派遣中隊員の活動に対するニーズを派遣地域別(首都、地方都市、農村)に分析した結果である。この結果から、農村地域の配属先のニーズが“あまり高くなかった”“低かった”とする回答が“高かった”“やや高かった”とする回答を上回っており、首都地域の結果と大きく異なっている。農村地域で活動する主な職種は農業関連(野菜、村落開発普及員など)の職種、理数科教師、看護婦・保健婦などである。この結果は、「活動の目的の任期終了時に想定される達成度」に比例しており、80%~100%の達成度としている首都隊員は45.7%、地方都市隊員は36.7%、農村隊員は23.7%であった。
以上のように、配属先のニーズが低いほど、活動の達成度も低くなる結果となった。