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第1章 評価調査の概要

1-1 目的

 我が国は、93年秋に細川総理(当時)が国連総会で2年間に2億ドルの援助を行うことを発表し、また98年秋に小渕総理が日米首脳会談で99年と2000年の2年間で2億ドルの援助を行うことを発表して以来、93年秋より99年7月までに総額4億5000万ドルの援助を実施している。こうした中、99年10月14~15日に、東京でパレスチナ支援調整会議(AHLC)が開催された。我が国は、同会議に向けたイニシアティブとして、世界銀行と協力して「過去5年間のドナーによるパレスチナ支援の分野別評価」を行い、その中間報告を行った。また、それと並行して、過去5年間の我が国の対パレスチナ援助の効果についての評価を行い、将来の援助の方向性への提言を含む報告書を作成することが本評価の目的である。

1-2 方針

 過去5年間の我が国の対パレスチナ支援実績の分析を通じて、我が国援助がパレスチナの開発にいかなる影響を与えたか、どのような影響を与えたかを可能な限り定量的に把握する。特に、わが国の対パレスチナ支援のセクター別・地域別インパクトの分析及びパレスチナ自治政府への技術移転に関する分析を行い、今後のわが国の対パレスチナ支援のあり方につきセクター・レベル及び政策レベルの提言を行う。援助対象の視察にあわせパレスチナ側の多くの分野の要人と会見し、援助に対する評価、希望などをヒヤリングする。 またパレスチナ側のパレスチナ経済の将来に対するビジョンをヒヤリングすることで、今後の対パレスチナ援助を検討する上での基礎資料とする。

1-3 調査団構成

団長  小早川敏彦  東京三菱銀行常任顧問・中東調査会常任理事
団員  中島 勇  (財)中東調査会研究員
 石井 幸造  (財)国際開発センター 調査部研究員
 向 賢一郎  外務省中近東アフリカ局中近東第一課
 保科 秀明  国際協力事業団 国際協力専門員

1-4現地調査日程及び訪問先

8月15日
テルアビブ着
8月16日
朝、ガザに移動
10時 計画・国際協力庁(MOPIC)
11時30分 保健庁 リヤード・サヌーン保健長官
12時45分 シファー病院(医療機材整備計画視察) シファー病院院長Dr.Mohammed Tawil
14時 公共事業庁(主用道路改善計画視察) 公共事業担当課長Mr.Fuad Manna
16時 経済研究機関 Dr.Ghania所長
17時 UNDP(雇用創出プロジェクト) Mr.Khaled Abdul Shafi所長
20時 アラファト議長顧問らビジネスマン オマル・サッラージュ、ハーリド・サッラーム顧問
8月17日
9時 教育庁 Dr.Abdallah Abdul Muneim(deputy assitant)
10時 小中学校建設計画視察
10時 アラファト議長表敬(団長と一部メンバー)
11時30分 高等教育機材整備計画(アズハル大学視察) Dr.Riyad Al Khudari学長
11時30分 パレスチナ銀行 Hani Shawwa副頭取
13時 IMF事務所 Salam Fayyad所長
14時 パレスチナ通貨庁 Amin Haddad副総裁
17時 消防署(消防機材整備計画視察) パレスチナ消防隊司令官
8月18日
9時30分 水資源庁 Nabil Sherif所長
11時 ガザ市役所 Mr.Anwar Shawwa市長
11時 工業庁長官 Dr.Sa'di Al Kurnaz長官
12時 財務長官 ナシャシビ財務相
13時 世銀所長 Mr.Joseph Saba
15時 ガザ工業団地視察
西岸に移動
19時 国際経済研究所畑中研究員によるブリーフ(世銀によるパレスチナ経済調査結果概要)
8月19日
8時 UNDPエルサレム事務所
10時 ナブルス市役所 ガッサン・シャカ市長
11時 UNDP雇用創出プロジェクト視察(ナブルス旧市街視察)
11時30分 ナジャハ大学経済学部教授 アワルタニ教授
8月20日(金曜日)休日
8月21日
9時30分 高等教育庁 Mr.Hisham Kuheil副長官
10時45分 地方自治庁 Dr.Hussein Al Alaj副長官
11時30分 パレスチナ投資会社(ラマラ) Dr.Faroq Zaatir社長
11時45分 ママラ病院視察(西岸医療機材整備計画) ラマラ病院院長
13時0分 ビル・ゼイト大学 ハンナ・ナシール学長
15時 エリコ病院建設計画視察
15時30分 アラブ・パレスチナ投資銀行 Mr.Masoud Ardah頭取
8月22日
9時 経済貿易庁 Mr.Maher Masri長官
10時30分 教育庁 Mr.Khalil Mahshi渉外担当局長
12時 公共事業庁 Mr.Dafallah Elakharas副長官
19時 ペレス地域協力相訪問
(一部の視察、面会は、ミッションメンバーが2班に分かれて実施した。)
8月23日
1部(保科、向、石井)は、テルアビブから帰国。
1部(小早川、中島)は、ガザ空港を経由してアンマンを訪問。
23日夜は、在アンマンのパレスチナ人ビジネスマン、政治家と意見交換。24日小早川団長は、 アラブ銀行首脳と意見交換後、午後、日本国大使館を表敬。


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