本報告書は、ODA評価有識者会議が外務省経済協力局より依頼を受けて実施した「国際緊急援助隊評価」の結果を取りまとめたものである。
我が国の政府開発援助(ODA)は近年総額で世界のトップクラスの規模を維持しているが、国内的にも国際的にも、より質の高い、効果的かつ効率的な援助の実施が求められている。外務省はODAの主管官庁として、ODAの実施管理支援とアカウンタビリティの確保という二つの目的から、主に政策レベルにおいてODA評価を行っている。本評価は、国際緊急援助隊に対するわが国援助政策の目的、策定・実施プロセス及び結果を検証し、援助政策の見直し及び今後のより効果的・効率的な援助の実施の参考となるための教訓・提言を得ること、さらに評価結果を公表することで説明責任を果たすことを目的としている。
ODA評価有識者会議は、評価の客観性を高めることを目的とする外務省経済協力局長の私的懇談会であり、外務省経済協力局よりODA評価の実施を依頼され、評価実施方法を策定して評価を実施し、その結果を報告書にとりまとめ、外務省経済協力局に対して参考意見としてフィードバックする役割を担っている。本評価はODA評価有識者会議の正木朋也メンバーが担当し、評価の実施にあたっては、茨城大学人文学部の杉下恒夫教授(JICA外部評価委員会委員)に御参加頂き、多大な協力を賜った。また、外務省経済協力局調査計画課を始めとする外務省関係各課、警察庁、消防庁、海上保安庁他関係省庁及び独立行政法人国際協力機構の関係者にもご協力を頂いた。ここに心より謝意を表したい。なお、外務省が業務委託したオーバーシーズ・プロジェクト・マネージメント・コンサルタンツ株式会社が一連の補助業務を行った。
最後に、本報告書に記載された見解は日本政府及びその他機関の立場を反映するものではないことを付記する。
2004年3月
ODA評価有識者会議 | ||
牟田 博光 | (東京工業大学教授)(座長) | |
川上 照男 | (公認会計士、あずさ監査法人パートナー) | |
佐藤 寛 | (アジア経済研究所経済協力研究部主任研究員) | |
高千穂 安長 | (玉川大学教授) | |
正木 朋也 | (東京大学客員研究員) | |
村松 安子 | (東京女子大学教授) |