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序 文


 本報告書は、外務省より委託された「カンボジアに対する運輸分野協力評価」の調査結果をまとめたものである。本調査は、1970年頃から20年あまり内紛・内戦が続いたカンボジアの道路・橋梁分野に対して1992年度以降に実施されたわが国の一連の協力案件を1つのプログラムと見なして評価したものである。

 本調査においては、調査方針検討のための打合会を含む国内準備、現地視察・情報収集・関係機関での聞き取りのためのカンボジアでの現地調査、国内関係機関での聞き取り・収集した情報の分析・報告書案の作成・報告書案の報告会を主とする国内解析・整理が行われた。

 本評価調査は以下のメンバーによって実施された。
  • 八千代エンジニヤリング株式会社国際事業部社会開発部開発企画課長 原 尚生
  • 株式会社パデコ プロジェクト・コンサルタント 中川 義也

 現地調査には次の方々にオブザーバーとして同行いただいた。
  • 外務省経済協力局政策課 課長補佐 尾崎 真美子 氏
  • 外務省経済協力局評価室 事務官  中垣 朋博 氏

 また、調査期間全般にわたって、アジア経済研究所地域研究第1部の天川直子氏に有識者としてご指導をいただいた。

 本調査にあたっては、在カンボジア日本国大使館、外務省本省の関係部署、国際協力事業団の本部関係部署・カンボジア事務所、および、派遣専門家、さらには、カンボジアの実施機関である公共事業運輸省、援助に関する調整機関であるカンボジア開発評議会を始め、多くの方々から報告書等の文書を提供していただくとともに、お忙しい中インタビューにも応じていただき、貴重な情報や評価に関する示唆をいただいた。また、(社団法人)国際建設技術協会からもカンボジア「インフラプロジェクト効果分析」調査(中間報告書)等のさまざまな情報を提供していただいた。ここに改めてお礼を申し上げたい。

 上記のように本調査の実施にあたっては関係諸機関から多くのデータ・情報の提供、報告書案に対するコメントをいただいたが、データ・情報の分析と評価は調査に従事したコンサルタントの知見によるもので、本報告書の一切の記載は全てコンサルタントの責任であり、日本国政府あるいは外務省、国際協力事業団の見解または立場を示すものではないことを申し添える。

 本評価調査はわが国の今後のカンボジアに対する道路・橋梁分野での協力についての有意義な教訓・提言を得ることを主眼としている。本文に述べるように同国の同分野へのわが国の協力において、わが国・カンボジア双方の関係者の努力の積み重ねにより、これまでに多大な改善がなされてきている。それに比して今回の調査は限られた期間の評価調査ではあったが、本調査結果が今後のカンボジアに対する道路・橋梁分野への協力の質の向上に少しでも寄与できれば、この上もなく幸いである。

2003年3月
八千代エンジニヤリング株式会社 国際事業部社会開発部
原 尚生



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