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4. 就業構造

 カンボジアの就業構造に関して1997年の構成比は第一次産業が77%、第二次産業が5%、第三次産業が18%を占め、大多数が農業を生業としている。また、1997年の統計ではカンボジアの総人口を約1,037万人と推計し、そのうち、データ収集が可能な地域の総人口は935万人、労働人口を10歳以上として、452万人と推定している。失業率は0.7%、失業者は約3万人と試算されているが、これは実態を表しているとは言い難い。現在の軍人と公務員には余剰人員が多く、実際には潜在的失業者、低賃金が大きな問題であり、人口の4割近くがいわゆる貧困ライン以下といわれているからである2。またカンボジアでは内戦の結果、15歳以上の人口の65%が女性であり、農業労働者の6割が女性、零細企業の85%を女性が経営しているといわれる3

表 2-6: 産業別就業者数

(単位:千人、%)
産業名 カンボジア全体
人口 構成比 プノンペン その他の都市 農村
人口 構成比 人口 構成比 人口 構成比
第1次産業 3,490 77.1 28 7.9 217 49.2 3,245 86.9
 農業・採取・林業 3,413 75.4 21 6.1 194 44.1 3,196 85.6
 漁業 77 1.7 6 1.8 22 5.1 49 1.3
第2次産業 213 4.7 54 15.4 34 7.7 358 9.6
 鉱業・採石 9 0.2     0 0.1 7 0.2
 製造業 145 3.2 33 9.4 23 5.2 90 2.4
 電気・ガス・水道 5 0.1 3 0.9 1 0.2    
 建設 54 1.2 18 5.1 10 2.2 149 4.0
第3次産業 720 15.9 138 39.2 178 40.4 288 7.7
 卸・小売業・修理業 349 7.7 12 35.1 91 20.7 134 3.6
 ホテル・レストラン 5 0.1 3 0.8 1 0.2    
 通信運輸・倉庫 81 1.8 27 7.6 26 6.0 26 0.7
 金融 9 0.2 5 1.5 4 0.8 4 0.1
 不動産業 5 0.1 3 0.8 1 0.3 4 0.1
 行政・国防・社会保障 140 3.1 65 18.4 30 6.9 45 1.2
 教育 54 1.2 11 3.2 9 2.0 34 0.9
 保健・衛生 18 0.4 6 1.6 3 0.6 7 0.2
 その他 59 1.3 18 5.3 13 0.0 33 0.9
合計 4,526 100.0 351 100.0 441 100.0 3,734 100.0
出所:Cambodia Socio-Economic Survey 1997



2 (社) 世界経営協議会(1999年)『平成10年度経済協力評価調査報告書 特定テーマ評価:貧困 カンボジア』によると計画省の作成した "A Poverty Profile of Cambodia -1997"では消費カロリーを基準に必要な所得をプノンペン、都市部、農村部別に設定して定義した貧困層に当たる人は調査対象地域の4割近く、また貧困層とみなされる人々の8割近くが農村部に居住しているとしている。

3 National Taskforce on Girl's Education. August 1998. "Draft National Action Plan on Girls' Education." (Phnom Penh, Cambodia)




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