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第3章 我が国の援助実績と特徴



3.5 まとめ

南西アジア地域は我が国援助の重点地域の一つである。また、同地域における各国への援助実績によれば、バングラデシュ国は明らかに我が国援助の重点国の一つとなっている。1990~99年までの10年間に我が国はバングラデシュ国に対して資金援助のみならず技術援助も積極的に展開してきた。しかしながら、第2章で示した添付図2-2-3から示唆されるように、我が国援助の妥当性は認められるが、多分野にわたる焦点の広い援助になっていることも事実である。

有償資金協力ではプロジェクト型の援助が多いが、無償資金協力ではノンプロジェクト型の援助が多い。そして、ノンプロジェクト型無償の殆どは債務救済に当てられている。人的支援実績では、南西アジア地域においてこれまでに最も多い青年海外協力隊がバングラデシュ国に派遣されている。バングラデシュ国からの研修員受入も同地域において2番目に多い実績となっているなど、草の根レベルから上位レベルまでの技術協力が行われている。プロジェクト分野別援助実績では、有償/無償資金協力とも運輸・通信分野への援助が最も多い。次いで電力・ガス開発分野や農業・農村開発分野への援助が大きな割合を占めている。

最後に、政府開発投資(国内公共投資、除くODA)と我が国援助の分野別配分割合(1990-99年累計割合)を比較すると、共に運輸・通信分野への配分割合が最も高く、それ以外の経済インフラ整備に対する資源配分割合もおおむねバングラデシュ国政府の重点配分に順じている。一方、教育、保健・医療などの社会開発分野への資金協力は極めて少ない。それは、これらの社会開発分野に対する我が国援助が技術協力主体であるからだと思われる。しかしながら、依然として農村部人口の多数が適切な医療サービスを受けられない状況を考えると、受益者の真のニーズに見合う医療施設の整備が必要であると思慮される。

図3-5-1 セクター別配分割合の比較 (1990-99年累計割合)

図3-5-1 セクター別配分割合の比較  (1990-99年累計割合)
出典: ODA白書各年版およびMoF, Flow of External Resources into Bangladeshにより作成。
なお、バングラデシュ国政府資料のセクター分類に準じて作成。


添付図3-4-1 
対バングラデシュ支援事業(1985年より)有償資金協力(PDF)


添付図3-4-2 
対バングラデシュ支援事業(1985年より)無償資金協力およびプロジェクト方式技術協力(PDF)


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