広報・資料 報告書・資料



第2章 バングラデシュ国の政治経済情勢と開発計画



2.1 独立への道のり

パキスタンがイギリスから独立したのは1947年のことである。この独立以降一貫して東パキスタンに対する西パキスタンの支配と搾取が継続してきた。西パキスタンの財閥による東パキスタンへの投資によってジュート産業や縫製産業は勃興するが、その輸出収入たるや西パキスタンへ送金されるため、東パキスタンが潤うことはなかった。輸入代替化政策を推進するためにパキスタンは高率の輸入関税を付加した結果、西パキスタンの商品が東パキスタンに流入する結果を招いた。1970年には東パキスタンの1人当たりGDPは西パキスタンの6割程度まで格差が広がった。さらに西パキスタンの共通語であるウルドゥ語の強制はベンガル語を使用する東ベンガルの人々に言語ナショナリズムの火をつけた。こうして1955年に東パキスタン州と改めたバングラデシュ国がパキスタンから独立したのは1971年のことである。

このページのトップへ戻る
前のページへ戻る次のページへ進む目次へ戻る