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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成21年5月11日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田裕憲

1.案件名

1-1.供与国名

 ソロモン諸島

1-2.案件名

 「ギゾ病院再建計画」

1-3.目的・事業内容

 2007年4月に発生したマグニチュード8.1の地震の影響で生じた津波によって多大な被害を受けたギゾ病院を、同様の地震・津波等に耐え得る病院として再建し、再び医療サービスを提供できるようにすることにより、同国の地方部における保健サービスの充実に寄与する。供与限度額は19.00億円。本年5月開催予定の第5回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議(島サミット)を念頭におき、太平洋島嶼国の繁栄と安定に対する我が国のコミットメントを示す。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がソロモン政府により実施される必要がある。

(1)本計画により整備した施設及び機材の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
(2)活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ギゾ病院は、ウエスタン州最大の病院で、ソロモンで4番目の病床数を有していたが、1959年に建設されて以降、増改築を小規模に繰り返してきたため、病院内の施設配置が非機能的となっていた。また、人口増加に伴い患者も増加していたことから、同病院を隣接地に新築移転する計画をソロモン政府は策定し、2006年8月に我が国に対し無償資金協力を要請した。

(2)要請後の2007年4月にマグニチュード8.1の地震が発生し、その影響で津波が押し寄せたことにより、同病院は大きな被害を受けた。ソロモンにおける被害概況(同年4月24日現在)は、死者52人、被災者約11,000人、全半壊家屋約4,600軒であった。同津波被害の後、我が国は、2007年4~5月にかけて「ソロモン諸島地震・津波災害復興支援プロジェクト形成調査」を実施した。その結果、同病院については、本来の第二次医療施設としての機能に加え、地域の拠点病院として、医療サービスを提供できるようにすることが早急に必要であることが確認され、同様の地震・津波等に耐え得る病院の再建が要請された。

2-2.効率性

 病院施設の建設については、内・外部の仕上げの簡素化等によりコスト縮減を図る。また、機材の整備については、ソロモン側の維持管理能力や人員体制等を踏まえた規模・内容としている。また、導入した機材の適切な維持管理を図るための技術指導を実施することにより、効率的かつ効果的な施設運営を図る。

2-3.有効性

(1)本件の実施により、以下のような成果が期待される。

  • 第二次医療サービス機能が向上し、一ヶ月あたりの受入可能な外来患者数は平均約2,300人から約3,500人に、入院患者は約150人から約200人にそれぞれ拡大する。
  • ソロモンの離島地域で最も人口の多いウエスタン州の基礎保健医療サービスが向上するため、本島と離島との医療サービス格差が縮小する。

(2)本計画の実施により、日本とソロモンの二国間関係強化への効果が期待される。また、我が国は、これまで一貫してソロモン諸島を含む太平洋島嶼国の良きパートナーとして同地域に対する支援を行ってきており、本計画も、5月開催予定の第5回島サミットを念頭におき、太平洋島嶼国の繁栄と安定に対する日本のコミットメントを示すものとなる。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ソロモン政府からの要請書

(2)JICAの基本設計調査報告書

(3)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/3.html



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