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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成21年4月25日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田裕憲

1.案件名

1-1.供与国名

 パプアニューギニア独立国

1-2.案件名

 「ブーゲンビル海岸幹線道路橋梁整備計画」

1-3.目的・事業内容

 パプアニューギニア国のブーゲンビル島にある国道(約190キロメートル)上の15カ所に橋梁を整備することにより、周辺住民の日常生活物資輸送の安定化、医療・教育施設へのアクセスの確保等を図る。供与限度額は31.54億円。本年5月開催予定の第5回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議(島サミット)を念頭におき、太平洋島嶼国の繁栄と安定に対する我が国のコミットメントを示す。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がパプアニューギニア政府により実施される必要がある。

(1)本計画により整備した橋梁の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
(2)活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ブーゲンビル海岸幹線道路は、ブーゲンビル島の首都であるブカに隣接しているココパウと、かつて州政府が置かれていたアラワを結ぶ約190キロメートルの国道で、カカオ等の生産物の輸送ルートとして、また、周辺住民のライフラインとして重要な役割を果たしている。

(2)しかしながら、同道路が河川と交差する所では、15カ所も橋梁等が未整備となってい る。これらの箇所では、住民や車両は河床を渡ることを余儀なくされており、降雨による河川の増水時には通行不可能となっている。また、増水時の無理な河床横断により歩行者や車両が流される事故も発生している。さらに、車両の河床通行により、地域住民の飲料水である河川水が汚濁されることから、これらの箇所への渡河施設の整備が急務となっている。

(3)このような状況の下、パプアニューギニア政府は、ブーゲンビル海岸幹線道路上の15箇所の橋梁整備を内容とした「ブーゲンビル海岸幹線道路橋梁整備計画」を策定した。

2-2.効率性

 15箇所の橋梁については可能な限り同一の形式、材料を用いて標準化することとし、現地業者への技術の移転を通じて、コストの縮減を図ることとする。

2-3.有効性

(1)本件の実施により、以下のような成果が期待される。

  • ブーゲンビル島のココパウからアラワまでの国道(全長約190キロメートル)が、河床を渡ることなく結ばれることにより、常時通行が可能となり、同区間の走行所要時間が約1時間程度短縮される。
  • 周辺住民にとって、日常生活物資輸送の安定化、医療・教育施設へのアクセスの確保、地域産業の活性化等が図られる。

(2)2006年の第4回島サミットにおいて、我が国は経済成長、持続可能な開発、良い統治、安全確保及び人と人との交流の促進を重点分野として、3年間で450億円規模の支援を行うことを表明しており、本計画はこの支援方針とも合致する。

(3)本計画の実施により、日本とパプアニューギニアの二国間関係強化への効果が期待される。また、我が国は、これまで一貫してパプアニューギニアを含む太平洋島嶼国の良きパートナーとして同地域に対する支援を行ってきており、本計画も、5月開催予定の第5回島サミットを念頭におき、太平洋島嶼国の繁栄と安定に対する日本のコミットメントを示すものとなる。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)パプアニューギニア政府からの要請書

(2)JICAの基本設計調査報告書(JICAを通じて入手可能)

(3)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/3.html



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