広報・資料 報告書・資料

政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成21年7月7日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田 裕憲

1.案件名

1-1.供与国名

 モザンビーク共和国

1-2.案件名

 「中学校建設計画」

1-3.目的・事業内容

 モザンビーク国の中等教育の普及改善及び教育の質的向上を図るため、中学校4校の教室・多目的教室及び図書室の整備、学習用機材等の整備を実施する。供与限度額は10.15億円である。本計画は、我が国がTICAD IVにて表明した対アフリカ支援方針である「基礎教育の普及と質の改善」に貢献するもの。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がモザンビーク共和国政府により実施される必要がある。

(1)本計画により整備された教室及び機材等の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

(2)学校教職員の確保等、活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)モザンビーク政府は、貧困削減行動計画(2006-2009年)(PARPA)において、持続可能な社会経済発展を通じて、絶対貧困層の削減を図っていくことを国の基本目標としている。教育分野においては「教育文化戦略計画2006~2010」を策定し、中等教育の普及の拡大及び教育の質の向上に取り組んでいる。

(2)具体的には、前期中等教育を優先的に全国に普及させることとし、2005年の就学率約25%を2015年までに70%にするため、中等教育施設の拡充に努力してきている。しかしながら、初等教育修了者の中等教育への進学希望者は2005年の約36万人から2008年の約59万人へと大幅に増加しているものの、全国の一教室当たり平均生徒数は約130人と極端な過密状況にあ る。三部制授業の実施や小学校教室の転用等により対応しているが、入学できず待機している生徒もいるなど、教室等の整備が緊急の課題となっている。

(3)このような状況を改善するため、モザンビーク政府は、ガザ州2校及びマプト州2校の中学校の教室・多目的教室及び実習機材等の拡充整備を計画した。

2-2.効率性

(1)整備対象の施設は、既存施設の整備状況から必要性を個別に検討し、モザンビークが準拠している構造設計基準に従うなどにより、低コストを確保している。

(2)計画機材は教職員による操作及び維持管理が可能なものとし、維持管理費用の低減を図るなど、本案件の効率性を高めている。

2-3.有効性

(1)本件の実施により、以下のような成果が期待される。
 本件計画を通じて、ガザ州(23教室)及びマプト州(35教室)で約60教室を建設することで教室不足が改善され、約9,500人の児童が中等教育へ進学することが可能となる。また、多目的教室、図書室等が整備され、教育環境の質的向上が期待される。

(2)本計画は、我が国がTICAD IVにて表明した対アフリカ支援方針である「基礎教育の普及と質の改善」に貢献するものであり、同計画の実施により、日本とモザンビークの二国間関係強化への効果が期待される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)JICAの基本設計調査報告書

(2)第45回無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/3.html



このページのトップへ戻る
目次へ戻る