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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成21年3月10日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田裕憲

1.案件名

1ー1.供与国名

 セネガル共和国

1ー2.案件名

 「緊急給水計画」

1ー3.目的・事業内容

 本計画は、セネガルにおいて発生する干ばつや洪水等の自然災害時に必要となる給水用機材の整備及び技術指導を実施することにより、安定した水を住民に供給し、気候変動の影響等による劣悪な給水・衛生状態を改善することを目的とする。
 供与限度額は10.00億円であり、地下水揚水機材(水中ポンプ、発電機、ディーゼルエンジン)及び給水車等の供与を行うとともに、右機材の操作や維持管理方法の指導等を行う。

1ー4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がセネガル政府により実施される必要がある。

 (イ)本計画により整備された機材の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

 (ロ)活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2ー1.必要性

(1)セネガルは、年間降雨量が500~700ミリメートル程度の乾燥した気候で、1年の降雨量の80%が雨季に集中する。気候変動による影響は、1970年代から現れ、最近では、2008年8月に例年にない規模の洪水の発生により、首都ダカールの一部が長期間冠水し、道路は寸断され、断水の影響をもたらしたため、緊急的な対応が必要となっている。

2ー2.効率性

 本計画を実施するにあたっては、セネガル政府と十分に調整した上で、気候変動対策としての緊急の必要性・妥当性が認められる機材を調達するなど、本件協力の効率的、効果的実施に努める。

2ー3.有効性

(1)本件の実施により、次のような成果が期待される。
 地下水揚水機材(水中ポンプ、発電機、ディーゼルエンジン)及び給水車の整備により、気候変動の深刻な影響により悪化した給水・衛生状況が改善される。

(2)セネガルでは、安全な水の供給を重要な開発課題の一つと位置づけ、貧困削減戦略文書(PRSP、2002年)、ミレニアム開発目標(MDGs)において、農村部の給水率を2015年までに78%とする目標を掲げ、「水と衛生のミレニアムプログラム」(PEPAM、2005年)に基づいて給水計画を実施しており、本計画はこのようなセネガルの開発計画とも合致している。

(3)セネガルは、2008年3月にクールアース・パートナーシップ国となることを表明しており、本計画は、同パートナーシップに基づくものである。また、TICADIVのフォローアップの一環として実施するものであり、その外交的効果は大きい。本計画の実施により、両国の友好関係強化への効果が期待される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)セネガル共和国政府からの要請書

(2)JICAの概略設計調査報告書

(3)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/3.html



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