評価年月日 平成21年3月10日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田裕憲
1.案件名1ー1.供与国名モザンビーク共和国 1ー2.案件名「緊急給水計画」 1ー3.目的・事業内容 本計画は、モザンビークにおける気候変動の影響等による旱魃や洪水等の災害発生頻度の高まりに対応するため、同国南部のガザ州及びマプト州において、安全な水を供給し、衛生環境を改善することを目的とする。 1ー4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点以下の事項がモザンビーク政府により実施される必要がある (イ)本計画により供与された機材の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。 (ロ)活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。 |
2.無償資金協力の必要性2ー1.必要性(1)モザンビーク南西部は、乾燥・半乾燥地域に位置し、安全な水の供給が非常に困難な状況となっている(農村地域では安全な水へのアクセス率は約30%)。近年では気候変動の影響等により、乾季には深刻な旱魃被害が増加しており、水不足は人々の健康、特に貧困層の生活状況を悪化させている。 (2)特に、2000年以降、降雨量の減少が顕著となってきており、乾季(特に9月から12月)には貯水ダムや溜池が涸れる等、飲料水不足が深刻化する事態が急増している。また、同国の主要産業である農業は天水に多くを依存しているため、農業収入の低下が進んでおり、水不足の解消は緊急の課題となっている。本年9月には次の乾期が迫っていることから、対象地域の給水状況を改善するために緊急に対応する必要がある。 (3)一方、雨季には河川等の氾濫やサイクロンの影響などにより、1970年代以降洪水が発生している。とりわけ2008年は、大雨と2-3月に相次いで大型サイクロンが発生しており、住民の生活および人命に深刻な被害を与えているところ、早急に適切な災害対策を実施する必要がある。 2ー2.効率性本計画を実施するにあたっては、モザンビーク政府と十分に調整した上で、気候変動対策として緊急の必要性・妥当性が認められる機材を調達するなど、本件協力の効率的・効果的実施に努める。 2ー3.有効性(1)本件の実施により、次のような成果が期待される。 (2)モザンビークは、1995年に策定されたモザンビークの水に関する国家政策において、2015年までに農村人口のおよそ1700万人の70%に相当する1100万人への給水を実現することを目指しており、また、気候変動対策上の観点から、旱魃や洪水に関する政策も掲げられており、本計画はこのようなモザンビークの開発計画と合致している。 (3)モザンビークは、2008年8月に我が国クールアース・パートナーシップ国となることを表明しており、本計画は、同パートナーシップに基づくものである。また、TICADIVのフォローアップの一環として実施するものであり、その外交的効果は大きい。本計画の実施により、両国の友好関係強化への効果が期待される。 |
3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等(1)モザンビーク共和国政府からの要請書 (2)JICAの概略設計調査報告書 (3)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。 |