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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成20年4月7日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田 裕憲

1.案件名

1ー1.供与国名

 モザンビーク共和国

1ー2.案件名

 「保健人材養成機関施設及び機材拡充計画」

1ー3.目的・事業内容

 本計画は、供与限度額は10.45億円(国庫債務負担行為。平成20年度3.49億円、平成21年度5.98億円、平成22年度1.78億円)であり、モザンビークの保健人材養成機関を整備することにより、同国の保健人材を強化することを目的とする保健人材養成機関5箇所の教室・演習室及び寮の整備、また12箇所の実習機材等の整備を実施する。

1ー4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がモザンビーク共和国政府により実施される必要がある。

(1)本計画により整備された教室及び機材等の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

(2)活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2ー1.必要性

(1)モザンビーク政府は、「貧困削減行動計画(2006-2009年)」において保健分野を開発の最重要分野の一つに位置づけ、「保健セクター戦略計画(2001-2010年)」を策定し、保健医療サービスへのアクセス拡大と質の向上を優先課題とした。しかし、医療分野の人材不足は深刻で、住民1,000人あたり1名の目標に対し、1,733名に1人となっている。このため、全国の医療機関の増設と必要な保健人材の養成を図るため、「保健人材育成計画(2006-2010年)」等を策定し、2010年までに8,250名を目標に、全国13箇所の養成機関で保健人材育成を実施している。しかし、教室・演習室、実習用機材等が不足しており、管理施設を教室に転用したり、二部制授業の実施を余儀なくされている。

(2)このような状況を改善するため、モザンビーク政府は、施設増設が必要となっている保健人材養成機関のうち、特に施設整備の必要な5箇所(ナンプラ、ベイラ、ペンバ、ニャマタンダ、マシンガ)の教室・演習室及び寮と、12箇所の実習機材等の拡充整備に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

2ー2.効率性

(1)整備対象の施設は、既存施設の整備状況から必要性を個別に検討した。また施設の設計については、構造設計基準をモザンビークが準拠している南アフリカ共和国基準に基づくものとし、また効率的な施工管理と品質及び低コストを確保するために、設計仕様の標準化を行った。

(2)計画機材は教員職員による操作及び維持管理が可能なものとし、維持管理費用の低減を図るなど、本案件の効率性を高めている。

2ー3.有効性

(1)本件の実施により、以下のような成果が期待される。
 本件計画を通じて、保健人材養成機関における、保健士候補生等約3,000名余の教育の質の向上が図られる。また、保健人材が増加し、保健サービスの充実、質の向上が期待される。

(2)また、モザンビークにおいては、国の開発の基本計画として「貧困削減行動計画(2006-2009年)」において保健分野を開発の重要分野と位置づけ、「保健セクター戦略計画(2001-2010年)」を策定し、保健医療サービスへのアクセス拡大と質の向上を目指すとしており、本件の実施は、同国の開発計画に合致する。また、我が国の対モザンビーク援助方針にいても、援助重点分野である「人的資源開発」において「貧困層の基礎生活状況の改善」を重視することとしており、本計画は我が国の援助方針とも合致する。

(3)さらに、本計画の実施により、日本とモザンビークの二国間関係強化への効果が期待される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)モザンビーク共和国政府からの要請書

(2)JICAの基本設計調査報告書(JICAを通じて入手可能)

(3)第37回無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/3.html



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