第Ⅱ部 実績から見た日本の政府開発援助と他ドナーの援助動向
ベトナム・ホーチミン市初の地下鉄開業において車内の乗客の様子(写真:Tran Le Huy)
1 実績から見た日本の政府開発援助
2024年の日本の政府開発援助(ODA)の実績注1は、2018年から導入された贈与相当額計上方式(Grant Equivalent System:GE方式)注2では、約164億9,353万ドル(約2兆4,978億円)となり、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)諸国における順位は、米国、ドイツ、英国に次ぎ第4位注3となっています。また、2024年のODAの対国民総所得(GNI)比については0.39%でした(国際的目標は0.7%、DAC諸国のうちEUを除く32か国中では第13位)(図表II-5)。
日本のODAの内訳は、二国間ODAが全体の約83.5%、国際機関向けODAが約16.5%です。二国間ODAは、日本と被援助国との関係強化に貢献することが期待されます。また、国際機関等を通じたODAでは、専門性や政治的中立性を持った国際機関等を通じて、直接日本政府が二国間で行う支援が届きにくい国・地域を含めて、必要な支援をより早急かつ機動的に行うことが可能になります。日本は、これらの支援を柔軟に使い分けるとともに相互の連携を図りつつ、より効果的な支援を積極的に行っていきます。
二国間ODAを援助手法別に見ると、GE方式では、無償で供与された資金の実績は約35億6,196万ドル(約5,394億円)で、ODA実績全体の約21.6%となっています。うち、国際機関等を通じた贈与は、約27億292万ドル(約4,093億円)でODA全体の約16.4%です。技術協力は約21億2,971万ドル(約3,225億円)で、ODA全体の約12.9%を占めています。政府貸付等については、貸付実行額は約112億9,478万ドル(約1兆7,105億円)、政府貸付等の贈与相当額は約80億7,558万ドル(約1兆2,230億円)で、ODA全体の約49.0%を占めています。
地域別の二国間ODAの実績値(「開発途上地域」指定国注4向け援助を除く)を構成比(支出の総額)順に記載すると次のとおりです注5(詳細は図表Ⅱ-2を参照)。
◆アジア:54.6%(約93億2,126万ドル)
◆中東・北アフリカ:15.2%(約25億9,605万ドル)
◆サブサハラ・アフリカ:8.2%(約14億812万ドル)
◆中南米:3.7%(約6億3,538万ドル)
◆欧州:2.9%(約4億8,740万ドル)
◆大洋州:0.7%(約1億2,128万ドル)
◆複数地域にまたがる援助:14.7%(約25億1,532万ドル)
- 注1 : 2025年DACメンバーのODA実績確定値は2026年末以降に公表される予定。
- 注2 : 政府貸付等について、贈与に相当する額をODA実績に計上するもの。贈与相当額は、支出額、利率、償還期間などの供与条件を定式にあてはめて算出され、供与条件が緩やかであるほど額が大きくなる。2017年までDACの標準であった純額方式(供与額を全額計上する一方、返済された額はマイナス計上)に比べ、日本の政府貸付等の実態がより正確に評価される計上方式と言える。
- 注3 : OECDデータベース(OECD Data Explorer)(2025年12月)。
- 注4 : 「開発途上地域」指定国・地域とは、JICA法第3条(機構の目的)を踏まえ、ODA対象国・地域に関するDACリストから卒業した国に対して、「開発途上地域」に当たると整理を行い、継続支援している国。2024年のODA実績においては、アンティグア・バーブーダ、ウルグアイ、オマーン、クック諸島、セーシェル、セントクリストファー・ネービス、チリ、トリニダード・トバゴ、バハマ、バルバドス、バーレーン、ブルネイ、ポーランド、ASEAN地域が該当する。
- 注5 : 支出総額ベース。
