(5)スポーツ振興への貢献
任期終了後もハンガリーで剣道の普及に取り組む元JICA海外協力隊員
インドでJICA海外協力隊員が一般人向けに柔道を指導する様子(写真:JICA)
協力隊には、陸上競技、水泳、野球、柔道、サッカーなど28の競技が職種として存在し、これらの「スポーツ隊員」はスポーツを通じた国際協力に貢献しています。代表的な活動としては、貧困層の青少年の育成、練習環境の改善、現地指導者の指導力向上、競技人口の拡大などが挙げられ、これまで計90か国で活躍してきました。
また、剣道や柔道、空手など、日本を起源とするスポーツを海外で指導する隊員も多くいます。例えば、当時剣道が普及していなかったハンガリーに赴任した隊員は、自身が幼少期からやっていた剣道を通じて世界とつながりたいという思いを胸に、協力隊の任期終了後もハンガリーで剣道の普及に取り組みました。その結果、ハンガリーの剣道人口は現在、赴任した1992年当時の20倍にまで増えました。このように、多くの隊員が日本の伝統スポーツを通じた国際交流にも貢献しています。
協力隊員が競技団体やオリンピック・パラリンピック委員会に配属され、ジュニア強化選手やナショナルチームを指導する場合や、障害者スポーツや女性スポーツなど、スポーツを通じた共生社会の実現に向けて活動する場合もあります。視覚障害者柔道の代表チーム指導者として隊員が派遣されたインドでは、柔道がほとんど知られておらず、指導者の数も限られていました。そのような状況下、隊員の献身的な指導によって、教え子2名がインド代表として2024年パラリンピックに出場し、うち1名は銅メダルを獲得する快挙を成し遂げました。協力隊員が指導した結果、オリンピック・パラリンピックに出場した選手は、1988年のソウル大会以来、全世界で計133名、メダル獲得数は金3個、銀4個、銅1個に上っています。
