2025年版開発協力白書 日本の国際協力

3 結び─JICA海外協力隊の成果と評価─

ラオスにおけるJICA海外協力隊派遣60周年式典の様子(写真:JICA)

ラオスにおけるJICA海外協力隊派遣60周年式典の様子(写真:JICA)

フィリピンにおけるJICA海外協力隊60周年記念行事の様子(写真:JICA)

フィリピンにおけるJICA海外協力隊60周年記念行事の様子(写真:JICA)

このように、60年にわたる海外協力隊は、開発途上国の開発、成長に様々な形で貢献してきただけではありません。粘り強く問題解決に向けて努力を重ね、派遣国の住民と共に困難を克服しながら任務を全うする隊員の姿勢、強い責任感と高い職業意識に裏付けられた活動ぶりは、国際社会における日本国民全体への揺るぎない友情と敬慕の情の源となり、日本と各国との間の友好親善に大きく貢献してきました。

JICA海外協力隊発足60周年を祝して、2025年11月13日に、天皇皇后両陛下の御臨席の下、東京にて記念式典が開催されました。式典の第1部では、英利外務大臣政務官が高市総理大臣の祝辞を代読し、60年にわたり99ヵ国に約5万8000人が派遣されたJICA海外協力隊の活動をねぎらい、様々な分野における隊員経験者の帰国後の活躍への期待を示した上で、「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻していく上で、この60年間にJICA海外協力隊が国際社会において築きあげてきた信頼ときずなは、かけがえのない財産である。」と述べました。また、「日本の国際協力~特に青年海外協力隊の活動~を支援する国会議員の会」(JICA議員連盟)会長の小渕衆議院議員から祝辞が述べられたのに続き、パプアニューギニアのマラぺ首相からのビデオメッセージが紹介されました。さらに、帰国隊員代表の青木由香さんから協力隊の活動の一層の広がりへの希望が示され、次世代を代表して高校生である大津里穂(りほ)さんから将来は国際協力に携わりたい旨の想いが述べられました。式典の第2部では、隊員経験者によるトークイベントなどが行われました。多くの関係者や隊員経験者が参加して盛大に催された式典は、協力隊60年の歩みを振り返り、協力隊の意義を改めて確認する機会となりました。

日本国内だけでなく、協力隊発足時に隊員を受け入れた国々でも記念行事が行われました。10月に開催されたラオスでの式典には、トンサワン外務大臣やサンティパープ財務大臣が参加し、ソーンサイ首相からは、「JICA海外協力隊は、技術や知識をラオスに伝えるだけでなく、ラオス語を学び、ラオスの素晴らしい文化や伝統を学んでいます。協力隊は、ラオスと日本の友好協力関係を深めることにも大きな役割を担っています。」との祝辞が寄せられました。

8月に開催されたフィリピンの記念行事(JICA議員連盟一行も参加)においても、フィリピン日本議員連盟会長であるスビリ上院議員が「JICA海外協力隊員が、人対人の面で日本とフィリピンの友好関係を支えてきたことを賞賛するとともに、彼らは日本からのたゆまぬ支援と援助の象徴であり、彼らのボランティア精神に日本人の精神の真髄を感じました。」と述べ、これまでの協力隊の貢献に感謝の意が示されました。

60年の歴史の中で、JICA海外協力隊は、開発途上国のニーズに合わせて裾野を広げ、また改編を行ってきました。一方で、「開発途上国の経済・社会発展への寄与」、「友好親善・相互理解の深化」、「ボランティア経験の社会還元」という発足以来の目的は変わらずに貫かれており、今日ではその意義が一層大きくなっています。

JICA海外協力隊は、今後も日本のODAが目指す「共創」の実現の原動力となって日本の国際協力を支えていきます。

図表Ⅰ-3 数字で見る60年間のJICA海外協力隊の実績
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