2025年版開発協力白書 日本の国際協力

(3)国内の災害復興への貢献

国際協力の現場で培われた現地のニーズを見極める力や限られた地域資源を活用しながら現地の人々と協働する知見や経験は、日本社会の課題解決にも幅広くいかされています。特に、地震や台風などの災害発生時の緊急支援および中長期的な復興活動において、日本各地の協力隊経験者が活躍しています。

協力隊経験者が中心となって設立し、開発途上国での隊員活動を通じて培った精神と経験を国内に広く普及することを目的とする、公益社団法人青年海外協力協会(JOCA)は、大規模災害時の支援活動を実施しています。これまで、2016年の熊本地震、2019年の東日本豪雨災害などにおいて、避難所運営支援や仮設住宅生活支援、ボランティアセンター運営支援などを通して地域に貢献してきました。

各都道府県にある協力隊OB・OG会も同様に、被災地域の復旧・復興に取り組んでいます。2011年の東日本大震災の発生を受けて、東北6県の協力隊OB・OG会は緊急支援として合同で募金活動を開始し、その額は2か月間で約450万円に上りました。「ふくしま青年海外協力隊の会」は、被災地の継続的な復興支援として、福島の風評被害を払拭するため、県外の協力隊経験者を招いて福島の現状を見てもらう「ふくしま応援ツアー」を開催しました。2024年に発生した能登半島地震では、帰国隊員たちは避難所の運営のみならず、災害後の避難生活における被災者の心身のストレスや体調悪化による災害関連死を防ぐべく、仮設住宅への訪問を通じた見守り支援も実施しました。開発途上国で時間をかけて現地住民一人ひとりの声に耳を傾けた経験が、復興支援の現場においていかされています。

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