2024年版開発協力白書 日本の国際協力

(2)国際協力事業関係者の安全対策

「中堅・中小企業海外安全対策ネットワーク」第9回本会合に出席する宮路副大臣

「中堅・中小企業海外安全対策ネットワーク」第9回本会合に出席する宮路副大臣

©さいとう・たかを

©さいとう・たかを

外務省・ゴルゴページ

外務省・ゴルゴページ

ODA事業を中心とする開発協力の実施にあたっては、JICA関係者のみならず、ODAに携わる企業、NGOなど全ての国際協力事業関係者の安全確保が大前提です。そのために、外務省およびJICAでは平素から十分な安全対策や体制整備を行っています。

2016年7月のバングラデシュ・ダッカ襲撃テロ事件後、関係省庁、政府関係機関および有識者が参加した国際協力事業安全対策会議での再検証の結果公表された「最終報告」注29を受け、外務省およびJICAは、同報告書に記載された安全対策注30の実施に取り組むとともに、国際協力事業関係者の安全対策の実効性を確保するための対応を継続・強化しています。最終報告以降に常設化された2024年の同会議では、外務省から最近の特に注意すべきテロ・誘拐情勢について、JICAからは、同年に発生したODA事業関係者の安全に関わる事案と安全対策について情報を共有し、国際協力事業関係者の安全に関わる各種情勢や対策・取組等について議論を行いました。

ダッカでの事件を受け、国際協力事業関係者を含む中堅・中小企業関係者の海外安全対策を強化すべく2016年に創設された「中堅・中小企業海外安全対策ネットワーク」注31は、日本企業の海外展開に関係する省庁や機関が参加し、局長級の本会合を年1回程度開催しています。2024年1月には第8回本会合を、2025年1月には第9回本会合を開催し、柘植(つげ)外務副大臣(当時)、宮路外務副大臣がそれぞれ出席しました。同本会合では、ネットワーク参加組織は、引き続き積極的な啓発活動に取り組むとともに、中堅・中小企業の安全対策を進めていくため、今後も団体・関係省庁との連携を進め、協力を具体化していくこととしました。

2024年のイラン、イスラエル、パレスチナ等での治安情勢の悪化に際しては、上記の平素からの対策・取組を基盤としつつ、情勢を的確に見極めながら、国際機関等とも連携し、現地の国際協力事業関係者の迅速な国外退避を実施し、人命最優先で関係者の安全確保に努めました。

また、2023年にも国外退避案件が複数発生したことから、2024年3月、外務省は、国際協力事業者を含む国民の海外での安全対策強化のために活用してきた「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」に「退避への備え」の必要性を訴えるエピソードを加えた増補2版を作成しました。


  1. 注29 : 国際協力事業の安全対策 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/keitai/page22_000120.html
  2. 注30 : (1)脅威情報の収集・分析・共有の強化、(2)事業関係者およびNGOの行動規範、(3)ハード・ソフト両面の防護措置、研修・訓練の強化、(4)危機発生後の対応、および(5)外務省・JICAの危機管理意識の向上・態勢の在り方の5点。
  3. 注31 : 中堅・中小企業海外安全対策ネットワーク https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/network.html
このページのトップへ戻る
開発協力白書・ODA白書等報告書へ戻る