(6)日本への関心・理解が深い人、在外日系人等との連携
日本企業や他の学生と交流するABEイニシアティブ参加者(写真:JICA)
日本のODAによる研修参加者や留学経験者等は、日本の文化や価値観を理解する重要な人的アセットです。日本への研修参加者や留学経験者等が、自国へ帰国後、同窓会組織を形成し日本との交流や理解促進に関する活動を行う例も見られ、在外公館を通じて、このような日本への関心・理解が深い人材との連携を促進しています。
ASEAN諸国では、JICA青年研修(旧:青年招へい)の帰国研修員が各国で同窓会組織を作って活動しており、1988年にはASEAN各国の同窓会組織を統合した「AJAFA-21」が発足しました。AJAFA-21は現在もASEAN地域間および日本との間での交流活動を継続して行っており、2024年3月には、青年招へい事業開始40周年を記念し、9か国から28名のAJAFA-21メンバーが訪日し、記念式典が行われました。式典では、この事業を通してASEAN諸国と日本の信頼関係を構築してきた歴史や将来の展望などの報告が各国からあり、今後も、ASEAN諸国と日本は真の対等なパートナーとして、地球規模の共通の課題解決に共に取り組んでいくことを確認しました。2025年3月には、ラオスにおいて2024年度のAJAFA-21各国同窓会代表者による執行会議が開催される予定です。
ABEイニシアティブ注16では、同プログラムへの参加者の研修修了後のフォローアップの拡充に取り組んでいます。オンラインも活用しつつ、日本企業関係者とのネットワーキングの機会や日本企業での就職を希望する参加者への情報提供等を行っています。また、ABEイニシアティブ参加者の人的ネットワークを強化する目的で、2020年4月に、SNSを活用したネットワークを立ち上げました。2024年10月時点で、現役生・修了生合わせて1,200人以上が参加するとともに、日本企業、JICA海外協力隊経験者も参加し、日本企業のアフリカビジネス関連の情報発信や相互の交流を行っています。また、全修了生に対して、年に一度、オンラインでの修了生間のネットワーキングの場も提供しています。さらに、参加者の有志によって、日本企業とのビジネスパートナーを目指すKakehashi Africaという団体が組織され、アフリカ全土に広がるネットワークを活用しながら、アフリカ48か国以上で活動しています。ビジネスに関する調査の実施や情報の提供、日本企業等のニーズと現地リソースのマッチングなどの活動の展開、起業家育成研修への協力等、JICAとの連携事例も生まれています(帰国研修員同窓会の活動については「国際協力の現場から」も参照)。
日系人は、多くの場合居住国で日系社会を形成しており、日本と各国との強い絆(きずな)の礎となっています。全世界の日系人の約60%を占める中南米の日系社会は、地域開発の拠点となって技術移転などを通じて居住国の経済発展に大きく貢献するとともに、日本との「架け橋」や「パートナー」として重要な役割を果たしています。JICAでは、中南米の日系社会と日本の連携に主導的な役割を果たす人材への技術協力として、日系社会研修や、日系人子弟(中学生、高校生、大学生)を対象とした日系社会次世代育成研修を実施しています。2023年度は、中南米11か国142人が日系社会研修に参加しました。また、中南米の日系社会で自身の技術や経験をいかしたいという意欲のある人をJICA海外協力隊として日系社会へ派遣しています。2023年度は4か国に日系社会ボランティア43人が派遣され、日系人、日系社会の人々と共に生活・協働しながら、中南米地域の発展のために協力しています。
- 注16 : 用語解説を参照。
