2 これからの日本のODA
(1)情勢の変化と開発協力の国際潮流
国際社会は今、歴史的な転換点にあり、複合的危機に直面しています。貧困や紛争、人権の抑圧、感染症や環境問題など、国際社会全体で協力して取り組むべき脅威や地球規模課題は増加しています。
一方で、国際社会の秩序は大きく揺らいでおり、ロシアによるウクライナ侵略、中東情勢の緊迫化など、パワーバランスの変化や地政学的競争の激化の中で、むしろ国際社会の分断リスクが深刻化しています。
このように、国際関係において、対立と協力の様相が複雑に絡み合う時代となっています。こうした中で、グローバル・サウスと呼ばれる新興国・開発途上国の存在感が増しています。2050年にはグローバル・サウスと呼ばれる国々の人口が世界の人口の3分の2を占めるとの予測もあります。
この複合的危機を乗り越え、世界を分断・対立ではなく協調に導く必要があり、平和国家として戦後70年にわたり国際社会に貢献を続けてきた日本は、その役割を担うべきです。そのためには、グローバル・サウスと呼ばれる新興国・開発途上国に今まで以上に関与していくことが求められています。ODAはそのために重要な外交ツールとしての一面もあり、日本自身の将来にも大切な意味を持つことから、変革が求められています。
このような大きな状況変化を踏まえて、日本は2023年、日本の開発協力政策の根幹となる開発協力大綱を改定し、開発協力をこれまで以上に効果的・戦略的に実施していく方針を打ち出しました。以降ODA70周年を迎える2024年は、改定した開発協力大綱の実装に取り組んできています。
