開発協力トピックス3
日本のカルチャーを通じた、世界中の親子に向けたエール!
2020年、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、長い時間を家で過ごす親子の健康を応援し、その不安な気持ちを少しでも和らげるために、ハローキティは、しまじろうと一緒に「だいすきなみんなといっしょプロジェクト*1」をスタートし、「みんなといっしょたいそう」や「ありがとうメダル」ぬり絵を配信しました。ピコ太郎さんは、ペンとパイナップルをハンド(手)とソープ(石鹸(せっけん))に持ちかえた手洗い動画「PPAP-2020-*2」やポスターの配信など、日本にとどまらず世界中に正しい手洗いの大切さを楽しく呼びかけています。そこで、外務省は株式会社サンリオ前田南美(まえだみなみ)さんとエイベックス・マネジメント株式会社ピコ太郎チームの皆さんから話を聞きました。

「みんなといっしょたいそう」は、国連本部の新型コロナウイルス感染症特集ウェブページ(https://www.un.org/en/coronavirus/children-keeping-active-hello-kitty-and-friends)でも紹介されました

総勢20ものキャラクターがタッグを組み、困難な状況で頑張っている方々に贈るための「ありがとうメダル」を配信
①「だいすきなみんなといっしょ 会えなくてもいつも一緒にいるよ」
●プロジェクトはどのように誕生したのですか?
株式会社サンリオ(以下、サンリオ)では、世界中の親子の不安な気持ちに寄り添い励ますためには、ハローキティだけでなく、企業の垣根を越え、様々なキャラクターと力を合わせ、共にこの困難な状況に立ち向かっていかなければならないと考えていました。同時期に、そのような状況下においてもできる、キャラクターを生かした活動をされていた株式会社ベネッセコーポレーションの「こどもちゃれんじ」のご担当者と話す機会があり、こどもちゃれんじと一緒に国内各社に呼びかけました。
●どのような思いで企画・作成されたのでしょうか?
今、世界中の人々が不安を抱えながら日々を送られていると思います。サンリオとしては、そうした不安な気持ちを少しでもやわらげるため、企業やジャンルそして世界観の異なるキャラクターが集まり、この困難な状況に立ち向かう親子に向けて「今は会えなくても、いつも一緒にいるよ。応援しているよ。」というメッセージを伝えたいと思い、今回の企画を考えました。
●具体的にはどのような取組ですか?
「みんなといっしょたいそう*3」は、保護者の方の「自宅で過ごす時間が増えて親子ともにストレスを感じている。」、「子どもが体を動かさず、運動不足で心配。」などの不安の声に応えるため、専門家の監修のもと、家の中でも自然な体力づくりにつながるような体操を設計し、配信しています。海外向けに英語版、中国語版も作成しました。また、総勢20のキャラクターが参加して、困難な状況で頑張っている方々に贈るための「ありがとうメダル*4」も配信しました。
●どのような点を工夫されましたか?
「みんなといっしょたいそう」も「ありがとうメダル」も、感染拡大が続く難しい状況にもかかわらず、各社のご協力により、通常では考えられないスピードで企画からリリースまでたどり着くことができました。集まって撮影することが出来ない状況でしたので、「みんなといっしょたいそう」のサンプル画像を作成・共有し、各社でできる範囲での撮影を行うといった工夫をしました。さらに、多くの企業が参加した「ありがとうメダル」では、可能な限り各キャラクターの世界観をそのまま維持しつつ、各社が気軽に参加できるようにコンテンツを工夫した結果、20ものキャラクターからの参加を得ることができました。
●どのような反響がありましたか?
2020年10月末時点で、「みんなといっしょたいそう」の再生回数は合計1000万回以上、「ありがとうメダル」ぬり絵ダウンロード数は合計26,000回以上と、世界中で本当にたくさんの方々にお楽しみいただいています。「コラボという点で『親子や子供へのエール』というメッセージが強く感じられた。」、「キティちゃん達が子どもと親に寄り添ってくれている、その気持ちが伝わり嬉しかった。」、「自由に外に出られず、親子ともに心身が不安定になりがちなので、好きなコンテンツが自分たちを応援してくれていると思うと嬉しい。」などの嬉しいコメントをいただきました。
●今後取り組みたいことなどがあれば教えてください。
ハローキティは、本プロジェクトの前から、思いやりの心をもって、世の中に向けて「みんななかよく」を発信してきました*5。国連や外務省と協力してSDGsの推進・啓発(けいはつ)も行っています。今回は、企業の垣根を越えてひとつのプロジェクトを発信することで、その思いがより分かりやすく伝えられたと思います。これからも、皆様に喜んでいただける企画を通じて、キャラクターの思いを一人ひとりにお届けしていきます。
②「ピコ太郎の手洗い動画『PPAP-2020-』に合わせて手を洗おう! Wash! Wash! Wash!」

動画ではおなじみの曲と振り付けに合わせて「wash!」と繰り返しながら正しい手洗い方法を発信。UNICEFも「洗う方法もバッチリ」とツイート(https://twitter.com/unicefinjapan/status/1246993245973827584)

無料で公開している手洗いポスターは、日本語だけでなく英語でも作成
●プロジェクトはどのように誕生したのですか?
新型コロナの影響で、世界は経験したことのない恐怖に包まれていたと思います。この状況を打破するため、エンターテイメントの力で何かできることはないかと考えました。
そこで、ピコ太郎をプロデュースする古坂大魔王が、新型コロナに対する様々な対策の中で今すぐ誰でもできることは「手洗い」であり、それを「楽しく」「正しい」方法でお伝えすることができれば、感染予防にもつながるのではないか、と考えつき、「PPAP-2020-」の制作が始まりました。2020年4月5日に「PPAP-2020-」を配信したところ、公開から約1か月でYouTubeでの再生回数が1000万回を超え、世界の150か国以上に届いたので、私たちの意図が伝わったと考えております。
また、その反響を受けて配信後すぐに「PIKOWash!」プロジェクト*6の話があり、「楽しく」「正しい」手洗い方法を啓発(けいはつ)するというプロジェクトの企画内容が私達のコンセプトと共通していたため、さらに「PIKOWash!」プロジェクトもスタートしました。
●どのような思いで企画・作成されたのでしょうか?
新型コロナという未知への恐怖から、外出もできなくなり、人々の不安はピークだったと思います。不安を和らげるために、「感染予防法」を「世界中の人々」に「笑顔で」届けたいという思いで企画し、どのように届けるか試行錯誤しながら作成しました。
●具体的にはどのような取組ですか?
ピコ太郎のプロデューサーである古坂大魔王と話し合い、「正しい」手洗いによる感染予防を「楽しく」啓発するプロジェクトとしました。子どもたちが真似(まね)してくれる作品を作れたら、家族全員が一緒になって真似をして世界中の人たちに届くと考え、ターゲットを「世界の子どもたち」に設定しました。
世界中に配信するため、YouTubeを公開の場として選び、言葉の問題を乗り越えられるように音楽と振り付けを分かりやすくすることを重要視しました。ピコ太郎の代表作である「PPAP」のカバーにすることでいち早く馴染(なじ)んでもらうことなども意識しています。楽曲のラストに「Pray for People And Peace」(人々と平和のために祈る)という最も届けたいメッセージを込めるなど、細部にまでこだわりました。
●どのような反響がありましたか?
日本国内のメディアだけでなく海外メディアでも多く取り上げて頂きました。SNS上では、ありがたいことに国内外の子ども達が「Wash! Wash!」と元気に歌って踊っている映像が多く拡散され、国連児童基金(UNICEF)東京事務所にも公式ツイッターで「洗うポイントもばっちりなので、ぜひマネしてみてください。」とご紹介頂きました。身近でも「うちの子どもがずっと踊っているよ。」、「おかげさまで手洗いが子ども達の習慣になったよ。」と大変嬉しいお言葉を頂きました。
学校や教育委員会、行政などからも多数活用したいとオファーを頂き、実際に保育園・幼稚園、小学校などの教育機関でも「PPAP-2020-」に合わせて手洗いをしてくださっている施設があるとお聞きしています。
●今後取り組みたいことなどがあれば教えてください。
ピコ太郎の活動理念は世界平和です。2017年からSDGs推進大使を務めた経緯もありますので、世界中の人々が、皆同じく笑える平和な世界を目指して今後も活動していきます。Pray for People And Peace!
*1 https://www.anytimewithcharacters.com/
*2 動画はこちらから:https://www.youtube.com/watch?v=WKfolJv6Kx8
*3 動画はこちらから:https://youtu.be/0vH1SPmrFiE
*4 ぬりえは、「だいすきなみんなといっしょプロジェクト」ホームページからダウンロードできます。
*5 ハローキティは、新型コロナ対策の一環として国連が実施しているPAUSE/ちょっと待ってキャンペーンにも参加しています(https://www.youtube.com/watch?v=ylYkc943Do4)。