ODA評価年次報告書2018 | 外務省

ODA評価年次報告書2018

2017年度外務省ODA評価結果概要

サモアの経済・社会インフラ分野における日本のODA評価<概要>(被援助国政府・機関等による評価)

全文はこちらからご覧いただけます。
https://www.mofa.go.jp/policy/oda/evaluation/FY2017/pdfs/samoa.pdf new window

評価者 サモア独立国財務省
サモア独立国外務省
KVA コンサルタント有限会社
評価実施期間 2018年1月20日~2018年3月31日
調査対象国 サモア独立国

評価内容

1 評価の目的

他ドナーからのODAも効率的・効果的に活用することを目指し、サモアの経済・社会開発分野における日本の政府開発援助(ODA)を評価する。

2 評価の対象

本評価の対象は、2007年から2017 年までに実施された主な経済インフラ4案件及び社会インフラ8案件インフラ分野の案件である。

対象となる電力セクター拡張事業、森林保全計画、ルフィルフィ地方病院再建計画、都市水道改善計画などの12案件は、対象期間内における日本の対サモアODAの92%を占める。

3 評価方法

日本の外務省が作成した“被援助国政府・機関等による評価ガイドライン”(2017年6月)をもとに、次の3つの基準をもって本評価をおこなう。

・政策の妥当性

・結果の有効性

・プロセスの適切性

在サモア日本国大使館と財務省により提供された主要な文書、報告書、統計及びデータを基に総合的な机上調査、文献レビュー及び、オンラインリサーチを包括的におこなった。また、机上調査と文献レビューの予備調査結果を参考にし、利害関係者との協議やオンライン調査をおこなった。

評価結果

1 政策の妥当性

日本のODAに関する政策の妥当性は高いと評価する。2007 年から2017 年までに実施 された全ての対象案件は、サモアの国家開発戦略およびセクター計画を踏まえたサモア政府の国家計画の枠組み、第 5、6、7 回の太平洋・島サミット(PALM)で表明された優先分野を含む日本の開発協力大綱とも整合している。PALM行動計画により、気候変動分野が日本のODAの重点分野となりつつある中、サモアは、今後の日本からの支援を促進するために、最近設定された国家の計画メカニズムを活用することができるであろう。

2 結果の有効性

結果の有効性は高いと評価する。適切な案件の形成過程を踏まえたことにより、国全体として、またそれぞれの分野においても目標を達成することができた。対象案件の大半は、 サモアにおける重要な経済・社会基盤の遅れの解消に貢献した。日本のODAは、その援助資金額を始め、分野をまたがる電力セクター拡張プロジェクト(PSEP)のように、 その規模も大きい。

3 プロセスの適切性

案件を形成するプロセスは効率的であったと評価する。インフラ整備における開発資金のフローを動かす公共の支出管理システムにおいて大幅な改善が見られた。しかし、重要なインフラセクター間では資金面の溝が拡大している問題も存在する。

提言

1 政策の妥当性

・国家開発の優先案件を策定するための計画及び政策の枠組みを強化する。

・優先課題である気候変動問題にかかる資金を動員するための管理計画を立て、既存の制度を活用する。

2 結果の有効性

・サモアの公共事業・運輸・インフラ省および財務省などの公共の省庁を通じた全分野において恒常的に求められている研修のニーズに対応するために考慮すべき事項は以下の通り。
- 各分野に関連する証明書や学位を提供する主要教育機関とのパートナーシップの形成と促進
-重点分野におけるプロジェクト管理や分析、モニタリングと評価、データ管理に携わる公共セクターの職員へ研修の強化
- 作業プロセス、制度、手順およびシステム開発における再構築
- セクター間の調整と管理に携わる人材派遣と制度の整備
- 本格的なデジタル経済への移行に対応するための情報通信技術の研修を強化

3 プロセスの適切性

・経済・社会インフラの分野間に存在する資金面のギャップを埋めるために、資金調達メカニズムを活性化する。より多くの財源を確保するため、共同融資とより条件の良い借款を確保する等、財政管理を進める。

・サモア政府とアジア開発銀行や世界銀行を始めとする主要ドナー機関・国が共同で開発した、各国からの支援を調整するジョイント・ポリシー・アクション・マトリックス (Joint Policy Action Matrix)などを活用して、全ての関連機関による共同のモニタリングを実施し、その枠組みを強化する。日本とサモアの外務省間で5カ年間事業展開計画 を定期的に共有することで、将来の課題に対する情報管理を強化する。こうした一連の対応が、案件の期待する成果により沿ったものとなり、強いては国家の開発目標を達成することにつながっていく。

(注)上記は、評価実施者の評価報告書を基に現地にある日本の在外公館にて要約し、日本語訳したものです。

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