タンザニア国においては、保健セクター改革推進の結果、県（地方自治体レベル）における保健行政の改善が見られている一方で、地方分権化において重要な役割を果たす州政府が機能しておらず、州保健局の機能強化と中央・州・県・保健施設を包含する保健システム全体の強化が重要課題となっている。

　JICAは、技術協力プロジェクト「モロゴロ州保健行政強化プロジェクト（2001年4月～2007年3月）（以下、MHP)」の実施により、県及び州の保健行政能力の強化（根拠に基づく県保健行政の確立）を支援してきた。MHPはモロゴロ州において州保健局と県保健局の組織能力強化を実践し、州保健マネジメントモデルを提示した。タ国政府は、MHPの経験を活かし、他州においても州保健マネジメントの強化を図ることを目的とした技術協力を要請した。

　本案件は、中央政府の出先機関としての州に求められる機能の中でも特に重要な、県に対する政策の周知・徹底機能及び行政支援機能の強化に焦点を当て、中央政府（保健福祉省・首相府地方自治庁）と州が取り組む一連の改革プロセスを他開発パートナーと共同で支援するものである。具体的には、州保健局の組織規範の整備、州保健局を通じた政策周知の仕組みの改善、州保健局による県保健局に対する支援業務の改善、州保健局に対する行政モニタリング・評価の仕組みの改善等に取り組む。