ODA

案件検索

ODA「見える化」サイト

ミレニアム開発目標(MDGs)における日本の取組
マスメディアを通じたエイズ教育プロジェクト

項目 内容
国名 ガーナ共和国
案件開始日 平成17年10月
案件終了日 平成21年9月
案件概要 1.要請背景

 1)ガーナ共和国(以下「ガ」国とする)のHIV感染率は、2004年はHIV感染率3.1%と、2003年の調査結果3.6%より0.5%低下した(15~49歳の妊婦対象HIV感染率調査結果より)。しかし、若者層15~19歳のHIV感染率が2003年は1.7%であったが2004年は2.0%で上昇傾向にあり、若者の新規HIV感染防止対策は重要な課題とされている。実際の感染者数は2003年のデータでは約39.2万人と推定されており、毎年約3万人がAIDSで死亡していると推測されている。

 2)相手国政府の国家政策上の位置づけ:「ガ」国では、2000年にHIV/AIDS国家戦略構想(NSF)を策定し、大統領直轄のガーナ・エイズ・コミッション(GAC)が中心に横断的に様々な分野でエイズ対策に取り組んでいる。同疾患の発症は貧困と深く結びついているため、貧困削減戦略(GPRS; 2002-2005)においても、HIV/AIDSは重点課題として挙げられている。

 3)現状分析:新規のHIV感染拡大防止は、HIV/AIDS国家戦略構想の最優先課題の1つで、行政、国際機関、ドナー、NGOが感染予防のための啓蒙活動に奮闘している。しかし、UNAIDSのAIDS Impact Model (2004)によると毎日新規に200人がHIV感染していると推定されており、決して楽観的な状況ではない。また、正しい知識の普及にも問題があり、2003年のGDHS(ガーナ人口保健調査)レポートによると、ガーナにおけるHIV/AIDSの認知率は男性で99%、女性で98%と高いが、正しい知識を持っているのは全体の38%と低い。また、行動変容においても十分促進されていない。例えば、アシャンテ州、イースタン州ではVCT/PMTCT(自発的カウンセリングと検査・母子感染予防)の施設が整っているが、実際自発的にVCT/PMTCTを利用するケースは非常に少ない。更に、コンドームの使用率については、14歳~24歳では平均40.9%にとどまっている。男女/地域別では、都市部の男性は55.5%でコンドームを使用すると回答しているが、都市部の女性は38.8%と男性より低い。農村部では男性は38.5%と比較的低いが、農村部の女性は更に低く27%であった(2003年のGDHSレポート)。このような状況から、一貫した正しいHIV/AIDS・VCT/PMTCTの正しい情報提供、行動変容を促す啓発活動とコンドームなどのサービスへのアクセスの改善が必要と考えられており、我が国に協力要請があった。

2.協力活動内容
<対象地域>
アクラ、イースタン州(1市5郡:ニュージャビン市、アクアピンノース郡、アスオジャマン郡、クワウサウス郡、クワエビビレム郡、ビリムノース郡)、アシャンティ州(1市3郡:クマシ市、アマンシイースト郡、セッチレウエスト郡、アトゥイマ・ンワビアジャ郡)
<活動>

(1-1)若者を対象としたBCC/IEC活動(行動変容を促すためのコミュニケーション/情報、教育、コミュニケーション)を訓練する為の教材、マニュアル、ガイドラインを作成する
(1-2)若者を対象としたBCC/IEC教材を作成する
(1-3)BCC/IEC教材をピアエデュケーター(PE)やコミュニティ保健ボランティア(CBS Agent)を通じて、対象の若者に配布する
(1-4)ラジオを通じたマスメディア・プログラムを実施する
(1-5)ラジオ・リスニングクラブを組織し活性化させる
(1-6)ドラマグループを選定し、組織化する
(1-7)コミュニティや学校におけるドラマや、フィルム上映のようなモバイル・キャンペーンを実施する
(1-8)対象の若者に対し、PEやCBS AgentによるHIV、AIDS、その他性感染症(STIs)、そしてコンドームの使用法についての個人間による議論を実施する
(1-9)対象の若者に対し、PEやCBS AgentによるHIVやAIDSについてのクイズ大会のような啓発イベントを計画し、実行する
(1-10)CBS Agentや協同する機関を通じてコンドームを配布する
(1-11)ベースライン、中間、終了時の調査を実施する

(2-1) 対象の若者に対し、ラジオ、モバイル・キャンペーン、議論を通じてVCTやPMTCTについての教育を提供する
(2-2) 対象の若者に対し、VCTやPMTCTのサービスを促進する
(2-3)対象の若者に対し、医療サービスへの必要な照会を提供する
(2-4)ベースライン、中間、終了時の調査を実施する

(3-1)コミュニティを選定し、プロジェクト・マネジメント委員会(PMC)を形成する
(3-2)対象郡において、PMCミーティングを四半期毎に開催する
(3-3)PEとCBS Agentを選定し、トレーニングを提供する
(3-4)対象郡において、PEとCBS Agentのミーティングを毎月開催する
(3-5)協同する機関を確認し、ネットワークを構築し、その他のステークホルダー、機関、NGO、CBOとの協同を促進する
(3-6) 対象郡において、学校内活動支援者を選定し年2回のミーティングを開催する
(3-7)PMCのメンバーと学校内活動支援者に対し、HIV、AIDS、STIs、VCT、PMTCTについての教育を提供する
(3-8)PE、CBS Agent、学校内活動支援者、PMCメンバーに対し、ユースフレンドリー、HIVとAIDSに関する活動のマネジメント、青年層の性と生殖にかんする健康、生活技術に関するトレーニングを実施する
(3-9)HIVとAIDSに関する活動の為の教材、マニュアル、ガイドラインを作成する
(3-10)郡の担当官に対するミーティングとトレーニングを実施する

事業事前評価 -
協力準備調査報告書 -
プロジェクト情報

JICAホームページ 他のサイトヘ

事後評価 -

Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る