国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

アフガニスタンに対する無償資金協力4案件に関する書簡の交換について

平成25年3月5日

  1. 3月5日(現地時間同日),アフガニスタン・イスラム共和国の首都カブールにおいて,我が方髙橋博史駐アフガニスタン大使と先方ザルメイ・ラスール アフガニスタン・イスラム共和国外務大臣(Dr. Zalmai Rassoul, Minister of Foreign Affairs of the Islamic Republic of Afghanistan)との間で,以下4案件(合計94億7,000万円)の無償資金協力に関する交換公文の署名式が行われました。
    • (1)「第二次カブール国際空港駐機場改修計画」(供与限度額:13億6,100万円)
    • (2)「デサブ南地区給水施設整備計画」(供与額:25億6,100万円)
    • (3)「道路維持管理能力強化計画」(供与額:27億4,800万円)
    • (4)ノン・プロジェクト無償資金協力(供与額:28億円)
  2. 案件概要
    • (1)「第二次カブール国際空港駐機場改修計画」(供与限度額:13億6,100万円)
       この協力は,アフガニスタン最大の空港として交通・物流の拠点であるカブール国際空港の駐機場の舗装改修・拡張と駐機場照明灯の設置を行うものです。
       カブール国際空港の利用旅客数は近年著しく増加しています。しかし,同空港では,長年にわたる不十分な維持管理と近年の交通量の増加のため,駐機場の劣化が著しく,剥離した骨材等が航空灯火や航空機エンジン等に損傷をもたらしています。また,駐機場の不足のため,航空機発着の遅延をはじめとした問題が見られ,航空機の安全で効率的な運航に支障を生じかねない状況にあります。このため,カブール国際空港の駐機場の舗装改修・改修が急務となっています。
       この協力を通じ,カブール国際空港における航空機運航上の安全性及び効率性が向上するとともに,同空港の発着便数の増加が可能となり,アフガニスタンの経済発展にも寄与することが期待されます。
    • (2)「デサブ南地区給水施設整備計画」(供与額:25億6,100万円)
       アフガニスタンの首都カブール市では,人口の急増に伴い効率的な都市開発が課題となっていることから,アフガニスタン政府は,デサブ地域(カブール市北の郊外)において,官民連携で新都市開発計画を進めています。
       この協力は,同計画の推進に資するため,初期開発地区(約830ヘクタール)において,水道水を確保するために,初期開発地区に必要な取水施設及び送配水施設を整備するものです。
       この協力により,初期開発地区の計画予定住民42,000人に対応できる量の生活用水を安定して供給できる給水施設が整備され,計画的な都市給水が可能となります。また,都市開発に必要な基盤インフラの整備により,同地区の開発が促進されるとともに,同地区をモデル地区としてその他の地区の民間開発が促進され,将来的にはカブール首都圏域の投資促進や経済発展に資することが期待されます。
    • (3)「道路維持管理能力強化計画」(供与額:27億4,800万円)
       この協力は,アフガニスタンにおいて,1)流通網の安定と交通量,2)道路維持管理作業のニーズ,3)重機の運用・維持管理にかかる能力・体制の3点から,特に重要な計25か所の拠点に対し,道路の維持管理に必要な重機(ホイールローダー,パワーショベル,モーターグレーダー,ダンプトラック及び除雪車)を供与するものです。
       アフガニスタンにとって,道路網の整備は最重要課題の一つであり,これまでにも国際社会の支援等により道路の改修・整備が行われてきました。しかし,いまだに多くの道路は,土砂崩れ,雪崩,大雨等に脆弱で,特に冬季は積雪でしばしば寸断される状況にあります。このため,年間を通して円滑な交通を確保するため,定期的,また緊急時の道路の維持管理業務が急務です。特に地方においては,道路維持管理業務を行う重機の不足や老朽化のため,必ずしも適切に対応できていないことが課題となっています。
       この協力により,25か所の拠点が管轄する主要道路(470キロメートル)が適切に維持管理されることで,流通網の安定化,地方経済の活性化の促進,学校や保健医療施設等基礎的な社会サービスへのアクセスの改善が図られ,12県の住民約1,000万人の生活向上に資することが期待されます。また,災害等緊急時の迅速な対応が可能となることに加え,これまでに国際社会の支援等で整備改修された道路のより適切な維持管理に資することが期待されます。
    • (4)ノン・プロジェクト無償資金協力(供与額:28億円)
       国家の再建途上にあるアフガニスタンは,巨額の経常収支赤字や公的債務を抱え,開発事業を実施するための費用や行政経費を賄うための国内歳入が引き続き不足しており,国家運営のためにドナーからの支援が不可欠な状況です。
       この協力は,アフガニスタンの厳しい経済状況を緩和するため,ディーゼル燃料等必要な物資を購入するための資金を供与するものであり,アフガニスタン国内の安定化や復興・開発に資することが期待されます。
(参考)
  1. アフガニスタン・イスラム共和国の人口は3,532万人(2011年,世銀)。面積は65.2万平方キロメートル(日本の約1.7倍)。
  2. プロジェクトサイト位置図(PDF)

Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る