平成24年12月8日
- 本8日(現地時間同日),ヨルダン川西岸地域のラマッラにおいて,我が方松浦純也パレスチナ関係担当大使兼対パレスチナ暫定自治政府日本国政府代表事務所長と先方サラーム・ファイヤード・パレスチナ暫定自治政府首相(Dr. Salam FAYYAD, Prime Minister, Palestinian Interim Self-Government Authority)との間で,以下2件の無償資金協力(総額10億円)に関する書簡の交換が行われました。
- 各案件の概要は以下のとおりです。
- (1) ノン・プロジェクト無償資金協力「途上国等の要望を踏まえた工業用品等の供与」(供与額:2億円)
この協力は,パレスチナ暫定自治政府に対して,必要な資機材を購入するための資金を供与するものです。これにより,困難な経済状況を改善し,経済社会開発に取り組む同自治政府を後押しします。また,今回の協力では,東日本大震災による被災地で生産された製品を調達することにより,被災地の復興にも貢献することが期待されます。
- (2) 環境・気候変動対策無償資金協力「西岸地域廃棄物管理改善計画」(供与限度額:8億円)
この計画は,ヨルダン川西岸地域における廃棄物管理能力を強化するものです。具体的には,ジェリコの既存処分場を拡張しリサイクル施設を建設するとともに,併せて同地域の5自治体連合にゴミ収集車やコンテナ等の機材を整備するものです。同地域においては,近年,財政難等の理由により,収集された廃棄物が衛生的な最終処分場まで輸送できず,域内の多くの場所で開放投棄されたり野焼きされたりして,住民の衛生環境に悪影響を及ぼしています。この計画の実施により,これらの地域の廃棄物処理能力が向上し,少なくとも10箇所の開放投棄場が閉鎖され,近辺住民の生活衛生環境が大幅に改善されることが期待されます。
- パレスチナ自治区では,2000年9月以降の度重なる衝突によって様々な社会・経済インフラが破壊されていることに加えて,パレスチナ人の雇用機会が大幅に減少するなど,パレスチナ経済は引き続き厳しい状況にあります。こうした状況の中で中東和平プロセスを進めていくためには,パレスチナ暫定自治政府の経済社会開発努力を支援することにより,パレスチナの社会及び市民生活の安定と発展を図ることが不可欠です。
- 我が国は,イスラエルとパレスチナの二国家解決による共存共栄に向け,引き続き対パレスチナ支援に加え,直接交渉再開に向けた政治的働きかけ,信頼醸成,「平和と繁栄の回廊」構想の推進に,積極的に取り組んでいく考えです。
(参考)
- パレスチナ自治区は,面積約6,020平方キロメートル,人口約410万人(平成22年)である。
- 「西岸地域廃棄物管理改善計画」プロジェクト位置図(PDF)

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