平成24年7月10日
- 本10日(火曜日)(現地時間同日),ネパール連邦民主共和国の首都カトマンズにおいて,我が方高橋邦夫駐ネパール大使と先方クリシュナ・ハリ・バスコタ財務省次官(Mr. Krishna Hari Baskota, Secretary, Ministry of Finance, Government of Nepal)との間で,シンズリ道路に関する2件の一般無償資金協力案件に関する書簡の交換が行われました。
- シンズリ道路は,ネパールの首都カトマンズ近郊とインド国境に接する南部の穀倉地帯を結ぶネパール東部の重要な幹線道路です。山岳地帯の内陸国であるネパールでは,国内の運輸交通の大部分を道路に依存していることから,同国は道路インフラの整備を重視しています。しかしながら,現在,首都と南部を結ぶ道路は大きく迂回しており,また毎年雨期の土砂災害で交通が阻害されています。そのため,我が国は,1996年からこの道路の建設を支援してきています。シンズリ道路全線が開通すれば,首都圏と南部穀倉地帯の輸送距離及び時間が大幅に短縮され,沿線の農民による換金作物の栽培が促進されるなど,地域の経済活動が活性化し,同国の貧困削減に大きく寄与することが期待されます。
- 各案件の概要は以下のとおりです。
(1)「シンズリ道路建設計画(第三工区)」(The Project for Construction of Sindhuli Road Section III)
供与限度額は40億9,600万円(3か年に亘る国庫債務負担行為。平成24年度:6.3億円,平成25年度18.48億円,平成26年度16.18億円)です。
この計画は,シンズリ道路建設計画のうち,最後に残された区間である第三工区の一部18.9キロメートルの道路建設を行うために必要な資金を供与するものです。
(2)「シンズリ道路建設計画(第二工区斜面対策)」(The Project for Countermeasure Construction against the Landslides on Sindhuli Road Section II)
供与限度額は9億100万円(3か年に亘る国庫債務負担行為。平成24年度1.73億円,平成25年度4.16億円,平成26年度3.12億円)です。
この計画は,シンズリ道路全線の中でも特に高低差が大きく,自然環境が厳しい山岳地帯にある第二工区の2箇所で発生した小規模な斜面崩落に対する対策工事を行うために必要な資金を供与するものです。この崩落に適切な処置を行うことにより,全線開通後も,シンズリ道路が安全かつ信頼性の高い主要幹線道路としての役割を果たすことが期待されます。
(参考)
ネパール連邦民主共和国は,面積14.7万平方キロメートル,人口約2,662万人(2011年),1人当たりGDP(国民総生産)は約642ドル(2010/2011年度,ネパール財務省)。