平成19年7月8日
- 我が国政府は、エジプト・アラブ共和国政府に対し、「第四次上エジプト灌漑施設改修計画(the project for Rehabilitation of Floating Pump Stations in Upper Egypt (Phase IV))」の実施に資することを目的として、3億800万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月8日(日曜日)(現地時間同日)、同国の首都カイロにおいて、我が方石川薫駐エジプト国大使と先方アブルナガ国際協力大臣(Her Excellency Mrs. Fayza Aboulnaga, Minister of International Cooperation)との間で行われた。
- 本計画の概要の次のとおりである。
(1)本計画の内容
- エジプト政府農業土地開拓省が、上エジプト地域において老朽化が著しい4か所の灌漑ポンプ場の改修を行うための資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- 年間降水量が約5ミリと極めて少ないエジプトの農産物生産は、一部地域を除いてナイル川からの灌漑用水に全面的に依存しており、灌漑農地面積は農地全体の60パーセントを占めている。このため、第5次経済社会開発5か年計画(2002-2007)においても、農地・水資源の効率的利用を農業分野における主要課題として掲げている。
- 本件対象地である上エジプト地域の農業は、エジプト国内の農地の30パーセントを占め、ナイル川のポンプを汲み上げた灌漑がほとんどである。しかしながら、この地域の農業の生命線であるポンプ場は、老朽化が著しいため近年取水能力が低下している。このため、受益地の灌漑用水が不足し、農業生産性向上の阻害要因となっている。
- このような状況の下、エジプト政府は、老朽化の著しい4か所の灌漑ポンプ場の改修の実施のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 本計画の実施により、灌漑地へのポンプ総水量が年間2,860万立方メートルから3,540万立方メートルと24パーセント増加し、安定した灌漑用水が供給されることにより、対象地域の農民約1万5,300人に裨益することが期待されている。
- なお、我が国はこれまで、第一次から第三次上エジプト灌漑施設改修計画において26か所のポンプ場の改修を無償資金協力にて実施してきている。
(参考)
- ピラミッドに象徴される古代文明の発祥の地であるエジプト国は、地中海東岸の北アフリカと中東にまたがって位置する面積約100万平方キロメートル、人口7,400万人(2005年世銀)、人口1人当たりのGNI約1260米ドル(2005年世銀)である。
- プロジェクト関連写真(添付1)(PDF)
- プロジェクト実施地域地図(添付2)(PDF)
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