国別地域別政策・情報 国別プロジェクト概要

日本のODAプロジェクト

フィリピン -Republic of the Philippines-

技術協力
IT人材育成プロジェクト
案件開始日 平成16年7月
案件終了予定日 平成20年7月



1.要請背景  フィリピンでは「21世紀に向けたフィリピン国家開発計画」の一環として、国家情報技術審議会(ITECC:国家情報技術審議会)によって「21世紀に向けたIT行動計画」が作成され、情報技術分野における期待、プログラムや事業活動等に関する提言がなされた。フィリピンでも定評・歴史のある高等教育機関であるフィリピン国立大学(UP)は独自の科学技術パーク事業の一環として、工学系を中心とした大卒者を対象としてより高度かつ実践的なIT人材の育成を目的としたフィリピン大学IT研修センター(UP-ITTC)設立計画を立案、本国家IT計画の実現を支援しようとしている。
  本プロジェクトは、このUP-ITTCが「フィリピンIT産業界のニーズに合ったIT研修を、大学卒業生(IT関連学部と他学部)およびIT産業界の現職技術者に対して実施できるようになる」ことを目標として、実践志向のIT研修を実施し、育成された高度技術者の現地IT産業界への供給にかかる技術移転を行う。
2.協力活動内容 0-1.プロジェクト運営管理体制の確立(講師・スタッフ・予算・施設の確保と管理)
0-2.機材・ソフトウェア・ネットワークシステムの調達・設置・保守管理
0-3.プロジェクト関連情報収集
0-4.プロジェクト活動の計画策定・実施・モニタリング・評価
0-5.プロジェクト/ITTCで実施するコース体系(案)の作成
0-6.プロジェクト/ITTCと産業界との協力関係の構築
1-1.ITコアコース関連科目にかかる技能・技術の強化
1-2.アプリケーション開発コース関連科目の技能・技術の強化
1-3.エンベデッドシステムコース関連科目の技能・技術の強化
1-4.ネットワークシステムコース関連科目の技能・技術の強化
1-5.C/P間の上記技能・技術の移転
2-1.各研修コース/科目に関するニーズ調査の実施・分析
2-2.各研修コース/科目の研修計画作成
2-3.各研修コース/科目のカリキュラム開発
2-4.各研修コース/科目の教材開発
2-5.各研修コース/科目の指導方法の開発と講師用マニュアルの作成
2-6.各研修コース/科目を指導する講師の育成
2-7.各研修コース/科目の評価方法検討・開発
2-8.各研修コース/科目の実施(受講者募集・選考含)
2-9.研修実施結果の調査
2-10.研修実施結果の分析
2-11.研修改訂案の作成
2-12.研修改訂作業
3-1.IT産業界との連携関係構築のための計画作成
3-2.アドバイザリボードを開催し(年2回)、プロジェクト/IT研修センターの総合的な方針についてレビュー・改訂する。
3-3.カリキュラムワーキンググループを開催し、産業界のニーズを研修カリキュラムに反映させる。
3-4.産業界との連携ワーキンググループを開催し、連携方法について検討・決定する。
3-5.産業界からの講師の確保
3-6.産業界からの寄付金の確保
3-7.フルタイムコース受講者へのインターンシップ斡旋(受入企業開拓・企業との調整・マッチング等)
3-8.フルタイムコース修了者への就職斡旋(受入企業開拓・企業との調整・マッチング等)
3-9.研修修了者のフォローアップ調査・コンサルテーション実施
4-1.プロジェクト/IT研修センターの広報活動計画の策定
4-2.各対象群(一般、IT関連大学、大学、企業)に合わせたプロジェクト/ITTCの広報・説明資料作成
4-3.各対象群に対する説明会の開催
4-4.その他、外部を対象としたプロジェクトの広報活動
技術協力
地方電化プロジェクト
案件開始日 平成16年6月
案件終了予定日 平成21年6月



1.要請背景  フィリピン国(以下「フィ」国)政府は、農村地域における住民の生活水準向上や新しい収入源の創造による貧困撲滅に繋がるとして、「2008年バランガイ(村落)電化率100%」並びに「2017年家屋電化率90%」を目標に、最重要政策の一つとして地方電化を推進している。
この結果、2004年12月時点でのバランガイ電化率は約92%に達している。しかし、バランガイレベルでは、村落の一部でも電化されれば電化済みと判定され、その後に電化の退行があっても判定の変更を行わない、家屋レベルの電化は十分把握されていない等の問題がある。特に、家屋電化率は7割程度にしか過ぎず、約250万世帯の人々が依然として電気の無い生活を送っている。これらの人々の多くは送配電線の届き難い山岳部や離島に散在しており、送配電線の延長による電化は困難な状況にある。再生可能エネルギーを利用した独立分散型電源はこうした状況に適切な電化手段として注目されている。今後の電化においては必然的に小規模の独立型・分散型の発電設備導入の比重が高くなるが、サステナビリティを確保するためには、安価かつ適正な技術へのアクセス、維持管理体制の整備、料金徴収体系の整備等が重要となる。この様な状況のもと、「フィ」国政府は我が国に対して、再生可能エネルギーを用いた村落電化に係る技術協力プロジェクトを要請した。これを受け我が国は、2003年に二度の事前調査によりプロジェクトの評価を行い、2004年3月にはR/D署名、同2004年6月にはマイクロ水力発電及び太陽光発電にかかる専門家を派遣し、5年間にわたる協力を行うこととした。本プロジェクトは、DOEの過去の事業に関する問題意識から、地域住民のニーズ、電力需要、運営維持管理能力、負担能力等を把握し、需要側の意志と能力に見合った形での事業実施を促進すること、著しい技術不足に起因する電力設備の不具合を事前回避すること、モニタリングおよび評価とフィードバックを行うメカニズムを構築すること、これにより電化の推進と持続性向上を図ることを上位目標とし、DOE、ANEC、LGU、NGOの能力向上のための活動を行うものである。04年度には延べ6名の専門家派遣(長期1名、短期5名)、本邦研修(2名)、測定機材の調達を行ない、水力発電及び太陽光発電技術、村落組織化を柱に、C/P及び地方電化関係者との協動による現地調査や技術移転を行うとともに、UNDP等他ドナーとの連携促進を図ってきた。また、課題解決に効率的に取り組めるようPDMの見直しを行っている。
2.協力活動内容 1-1.据付、運転及び維持管理にかかる訓練マニュアルの作成・普及及び訓練実施
1-2.利用者に対するマニュアルの作成・普及及び訓練実施
1-3.プロジェクト評価、システム設計、据付、運転及び維持管理等にかかるガイドライン作成・普及
1-4.入札仕様書の品質確保のための技術標準の策定
1-5.不具合回避のためのモニタリング手法の確立
1-6.再生可能エネルギーによる電化村落のモニタリング及び評価
1-7.機材品質評価及び管理システムの導入
1-8.再生可能電化機材の製造・据付にかかる訓練
2-1.不具合発生時の組織間連絡体制構築(村落→LGU→DOE)
2-2.不具合解決のためのガイドライン策定
2-3.村落電化組合(BAPA)の設立・運営のためのマニュアル策定
2-4.再生可能エネルギー電化に関する啓蒙活動
2-5.村落の電化受入体制構築支援(コミュニティー組織化、組織改善等)
2-6.「マイクロ水力技術センター設立による地方電化推進支援」(CeMTRE)に対する協力・支援


パナイ島北東にある小島のバヤス村に設置されている太陽光発電パネル(バッテリーチャージングステーション)の下で、運転状況の調査をする日本人専門家とカウンターパートのDOE職員と現地の電化組合の人たち


パナイ島のバディアン村で、マイクロ水車発電機(現地製水車と中国製発電機)の点検測定を行う日本人専門家(左)とカウンターパートのDOE職員
技術協力
地域住民による森林管理プログラム(CBFMP)強化計画
案件開始日 平成16年6月
案件終了予定日 平成21年6月



1.要請背景  フィリピンでは国土の5割を占める公有林野(1,463万ha)に、全人口の13%に相当する870万人(1990年)が居住している。これら山地農村部では低い農業生産性や市場アクセスの悪さから、貧困世帯が増加の傾向にある。また、フィリピンの森林は過伐、山火事、農牧地への転換等により減少して草地化した結果、自然災害が多発し経済・社会の発展の障害となっている。政府は1980年代から外国からの資金協力により植林を推進してきたが、実績は1989-98年の10年間で49万ヘクタールと目標(163万ha)の3割以下にとどまっている。また、植林後の不適切な管理や山火事が原因となって、少なくない植林地が消失したとされている。
  そうした植林地や既存の森林を保全するとともに山地住民の生活向上を図るため、政府は1995年に「地域住民による森林管理プログラム」を大統領令により国家戦略として打ち出し、2008年までに900万haを地域住民との契約地とする目標をたてた。その基本理念は、(1)森林資源の持続的な管理、(2)社会的公正と地域共同体の社会経済状況の改善、(3)環境天然資源省と地域社会の緊密な連携、の実現である。同プログラムは、住民組織が環境天然資源省との合意により25年間契約で公有林野の管理を行う制度で、住民組織は自ら策定する村落資源管理計画及び年間計画に基き、森林の管理・利用並びに農業など土地の有効利用を行うことができる。
  2002年時点でこのプログラムにもとづく契約地は、面積的には合計107万ha(974サイト)に達しているが、多くの契約地で住民組織の資金不足、能力不足から計画的な森林管理や生計向上活動が実施されていない。また環境天然資源省や地方自治体などの行政機関も、予算や技術力の不足から十分に住民への指導が行われていない。
  係る状況から、フィリピン国政府は「地域住民による森林管理プログラム」を促進するための技術協力を日本政府に要請した。
2.協力活動内容 成果1に関する活動<モデルサイト・コンポーネント>
  1.1 モデルサイトを選定する。
  1a.1 POの組織化/強化を行う。
  1a.2 POが参加型手法によりCBFM活動の計画・実施・モニタリング・評価を行うのを支援する。
  1a.3 モニタリング・評価を行う。
  1b.1 DENR、LGUおよび他の関連機関の関係職員に対しコミュニティ・ファシリテーション、テクニカルその他必要な技術についての研修・ワークショップを 行う。
  1b.2 DENR、LGUおよび他の関連機関の関係職員に対し活動1a.1 から1a.3を実施する機会を与える。
  1c.1 連携スキームを策定するためのワークショップを開催する。
  1c.2 連携スキームを実施する。
  1c.3 連携スキームのモニタリング・評価を行う。
成果2に関する活動<研修コンポーネント>
  2.1 ニーズ分析に基づき研修プログラムを策定する。
  2.2 研修プログラムを実施する。
  2.3 研修生のフォローアップ活動を支援する。
  2.4 研修プログラムとフォローアップ活動のモニタリング・評価を実施する。
成果3に関する活動<情報コンポーネント>
  3.1 CBFMに関する既存の情報の流れを調査し不足部分を見出す。
  3.2 情報ネットワークの強化のための戦略を策定する。
  3.3 上記戦略に基づき情報を収集・加工・普及・更新する。
成果4に関する活動<政策コンポーネント>
  4.1 上記プロジェクト活動を通じ得られた経験を分析する。
  4.2 CBFMプログラムを改善するための提言を策定する。
技術協力
高生産性稲作技術地域展開計画
案件開始日 平成16年11月
案件終了予定日 平成21年11月



1.要請背景  コメはフィリピン農業において最重要作物であり国民の80%以上が主食としており、年間国民一人当りの消費量は日本を上回る。しかしながら単収は全国平均では低く、品種改良、機械化、栽培体系の確立が強く求められてきた。
これを受けて、我が国はフィリピン稲作研究所(「フィルライス」)に対し無償資金協力を実施し1991年に研究施設を完成させ、1992年から5年間のプロジェクト方式技術協力(当時)「フィリピン稲研究所計画」を実施し、その後小規模農家向け技術の研究開発を目的として1997年8月から5年間のプロジェクト方式技術協力「高生産性稲作技術研究計画」を実施した。これらの協力の結果からフィルライス本所の研究開発能力は飛躍的に向上した。今後は、これらの成果を活用した技術の普及支援が課題となっていることから、所管する支所を活用することにより、フィルライスが開発した基礎技術の実用化を目指し、(1)農家の圃場を活用した実証試験を通じて農家に適応可能なコストに留意した技術(低投入・知己適応型栽培体系)の開発を行なうとともに、(2)農家の現場段階で直面する問題を研究部門にフィードバックするためのシステムの構築が不可欠となっている。
2.協力活動内容 1-1) 実証圃場の選定、設置
1-2) 実証圃場における実証、展示
1-3) 実証結果のフィードバック及びそれに基づく改良
2-1) 対象3地域でのベースライン調査(農家経営、営農実態、水利組合の状況、流通状況)の実施
2-2) 農家、関係機関スタッフ等への技術指導(ミンダナオにおいては、ARMM(ムスリム・ミンダナオ自治区)を所管するミッドサヤフ支所を通じて、同地区に対する教 材の提供、技術指導等を実施する)
2-3) 関係機関(自治体、大学等)との情報共有のための「実証圃場協議会」の実施
技術協力
新CNS/ATM整備に係る教育支援
案件開始日 平成16年10月
案件終了予定日 平成20年10月



1.要請背景 現在世界各国において次世代の航空管制システム(新CNS/ATM)の導入が計画・施行されている。フィリピンでも同様に25次円借款により我が国の協力の基で整備を進めているところである。フィリピン航空局(ATO)は日本の運輸多目的衛星(2004年打ち上げ予定・2005年運用予定)の活用を図ることをすでに決定しており、整備を中心に、日本の経済的・技術的支援を航空行政全般にわたって求めている。また、新しいシステムに対応できる基礎知識を職員に教育するため、新たに研修コースをフィリピン航空局マニラ航空保安大学校(CATC)において開設する計画があり、これらの教育に当たる基幹職員を養成することの協力依頼がフィリピン国よりあった。また、2002年に開催された「第13回ASEAN交通次官級会合」において、国土交通省は新しい協力の枠組みと構築を提唱し、重要4分野プロジェクトのひとつとして「日・ASEAN次世代航空保安システムプロジェクト」が検討された。この中で次世代航空保安システムに対応した教育・訓練の実施についてフィリピンを中心に、ASEAN各国へ普及させることも検討されており、フィリピンにおける新CNS/ATM整備にかかる基礎的教育の重要性は増している。新CNS/ATMシステムは従来の地上電波を利用したシステムとは大きく異なり衛星を利用した航空航法であり、我が国においても新システム導入にあたり1997年より新たな研修を実施しているところである。新CNS/ATMを構成する装置は各動作部において機能、名称、外観、操作などすべて現状と異なるため、これらに従事する管制官や技術官にとってその概要を修得することは航空の安全運行においても必要最小限の課題である。また、管制官・技術官には専門的技術・知識の研修も必要であり、その前には基礎的な新システム概念の教育は完了していることが望まれる。
2.協力活動内容 1-1. 航空保安大学の教員が実施する基礎コース研修を定期的に実施できるように系統的な研修コースの内容を設定する
1-2. 評価と見直しの研修改善サイクルを実施する
1-3. 情報を収集し、教材を作成する
2-1. 航空保安大学の教員が実施する新システム基礎研修のカリキュラム内容の作成を指導する。
2-2. 航空保安大学教員の指導方法を改善し、研修教材の作成を指導する
2-3. 航空保安大学教員へ新システム知識の指導をおこなう
2-4. 教材と関係ソフトウェアの効果的使用方法を確立する
2-5. 専門研修の実施に向けた準備と協議を行う
2-6. 第3国研修を含めたASEAN等周辺諸国との協力をATO/CATCと協議する
3-1. 研修ごとに内容に見直しについて検討を行う
3-2. 検討内容を反映し改善を図る
4-1. 維持管理要員の決定・配置と役割決定をおこない育成する
4-2. 供与機材の操作・維持管理の方法を明確にする
4-3. 既存教育資機材のデータベース作成と管理を行う
4-4. データベースの保守・管理・更新について指導する
5-1. 研修規約と研修制度について検討し、改善を支援する。
5-2. ICAOの政策に準拠した航空大学とCATCを比較し改善点を見出す。
技術協力
海上保安人材育成
案件開始日 平成14年7月
案件終了予定日 平成19年6月



1.要請背景 群島国家フィリピンの周辺海域では、毎年多数の海難事故が発生し、貴重な人命・財産が失われているが、海難救助体制が整備されていないため、死亡者・行方不明者数が極めて多い。また大型タンカーの油流出事故による環境汚染や、海賊行為や薬物の洋上取引等の違法行為も多発しており、沿岸警備隊(Philippine Coast Guard)の対処能力の強化が急務となっている。しかし、海軍の一部隊であった沿岸警備隊は、1998年に運輸通信省傘下の機関として海難事故防止・救助活動、海上防災活動、海上犯罪警備活動に従事することとなったものの、職員のほぼ全員が軍出身者であり、新しい任務を適切に遂行できる知識と技能を有していない。そこで比国政府は、沿岸警備隊における人材の育成を早急に進めるべく、我が国に対して技術協力プロジェクトの実施を要請し、2002年7月より5年間の計画で実施中である。本プロジェクトは、長期専門家5名(チーフアドバイザー、法令励行、海難救助・航行安全、海洋環境保全・油流出防除、業務調整)を核とした人材育成協力を行っている。2004年6月には、運営指導調査団を派遣し、翌年の2005年7月には中間評価調査団を派遣し、関係者間にて本プロジェクトの進捗確認を行うとともに、今後の活動について実施機関と協議・確認を行った。
2.協力活動内容 1-1 各ユニットにおけるOJT/ユニットトレーニングシステムを強化する
1-2-1 専任教官制度設立への作業を開始する
1-2-2 他組織の教官制度を調査研究する
1-2-3 専任教官が必要な訓練分野を特定する
1-2-4 教官候補者を選定する
1-3-1 教育訓練コースの評価・フィードバックシステムのレビューを行ない、改善する
2-1-1カリキュラム改善開発委員会を設立・運営する
2-1-2教育訓練局の海難救助、航行安全、海洋環境保全・油防除、法令励行分野に係る開発ニーズを具体的に確定する
  1) PCGの業務実施体制と技能レベルを把握する
  2) PCGと同職員が必要とする技能レベルを把握する
  3) 研修生(現職員及び新規採用職員)の技能レベルを把握する
  4) 教育訓練局における必要訓練内容、必要達成レベル、必要研修生数を把握する
2-1-3国際海事機関(IMO) モデル・コース導入の可能性を調査する
2-1-4各コースのカリキュラムとシラバスの開発、アップデートを行う
2-1-5各コースの教科書と教材を開発する
2-1-6カウンターパートとインストラクター候補生に対する教授技術訓練を実施する
2-1-7研修生へ各教育訓練コースを実施する
2-1-8供与機材の操作訓練・維持管理の訓練を実施する
2-2-1 セミナーに対するニーズを調査し、セミナー教材を開発する
2-2-2 他の官民関係機関をセミナーに招致する
2-2-3 セミナーを実施する
2-2-4 官民関係機関・一般企業・市民へ、海難救助、航安全、海洋環境保全・油防除、法令励行分野の啓蒙活動計画を策定する
2-2-5 一般企業・市民へ、海難救助、航行安全、海洋環境保全・油防除、法令励行分野の啓蒙活動を実施する
3-1 訓練受講者の基礎知識及び技能のレベル調査を実施する
3-2 基礎教育実施に必要な施設の特定を行ない、必要があれば施設の改善を施す
3-3 基礎教育コースのカリキュラム及びシラバスの開発、改訂を行う
3-4 基礎教育コースに必要なマニュアル、ハンドブック、訓練用資機材の開発を行なう
3-5 OJT/ユニット・トレーニングを最大限に活用した基礎教育コースを実施する
3-6供与機材の操作訓練・維持管理の訓練を実施する
技術協力
結核対策向上プログラム
案件開始日 平成14年9月
案件終了予定日 平成19年8月



1.要請背景 フィリピンは罹患率が世界第7位という結核高蔓延国である。国家結核対策は1968年に初めて策定され、特に1980年代には保健省はかなりの資金を投入し、対策に努めたが戦略的な未熟さもあって充分な成果が得られないままに経過していた。こうした状況に鑑み、我が国は1992年9月から公衆衛生プロジェクトにおいて結核対策の支援を開始し、それに引き続き97年9月から結核対策プロジェクトを実施し、これまでに大きな成果を上げている。
  公衆衛生プロジェクトでは、プロジェクト地域であるセブ州においてWHOが推進しているDOTS(直接監視下短期療法)のフィリピンにおける有効性を示し、結核対策ガイドラインの策定に活かすことができたほか、1993年に建設したセブリファレンスラボラトリーにおいて、質の高い喀痰塗抹検査の必要性・有用性を示すことができた。
  結核対策プロジェクトにおいては、上述の成果を活かし、国家結核対策を第7地方区のすべての州、ルソン島の4州、さらに東サマール州にまで拡大し、地域人口はフィリピン全国の人口比で17%に相当する1300万人以上に達している。プロジェクト地域では、新国家結核対策実施後、概ね2年でWHOの目標である治癒率85%以上を達成している。また、喀痰塗抹検査の精度管理システムを開発し、このシステムが順調に働いている地域では偽陽性率5%以下、偽陰性率2%以下という非常に高い精度の達成が可能となっており、当初からのプロジェクト地域であるセブ州はフィリピンの結核対策の見本となる対策実施地域になっている。
また、2002年3月には無償資金協力援助により国立熱帯医学研究所の付属機関として国立結核研究所を建設し、結核対策の中で、特に検査業務について中心的な役割を果たす機関を目指し技術支援を行っている。一方、フィリピン保健省も我が国の他に、WHOを始めとする他ドナーの支援を得て、2002年中にDOTS戦略を全国に展開するまでに至った。しかし、保健省独自の予算でDOTSが実施された地域、及び他ドナーにによるDOTS実施地域においては、技術的な支援・巡回指導が充分に行われていないため、対策の質、また喀痰検査の質とも問題がある保健所が多い。フィリピン政府はこうした状況を打開して、最終目的である2010年までに結核問題を半減するために、これまで対策の質・喀痰検査の質に大きな成果を上げている我が国に対して、技術支援を求めてきた。
2.協力活動内容 (1)継続性の高いモニタリング、スーパービジョンシステムの確立。
(2)各レベルにおける結核対策にかかる職員とスーパーバイザーへの研修。
(3)地方におけるサポートメカニズムの強化。
(4)NTRLの役割とサービスの強化。
   ・塗抹検査の精度管理、
   ・基幹検査室職員・スーパーバイザーの研修、
   ・薬剤体制のモニタリング
(5)NTRLを中心とした塗抹検査精度管理に関する検査体制のネットワークの構築。
(6)NTRL 及びIDOにおける調査、計画策定、オペレーショナルリサーチ能力の向上。
(7)抗結核薬剤耐性菌調査(DRS)における必要データ収集への支援。
(8)Private Public Mixにかかるオペレーショナルリサーチ実施可能性の評価。

フィリピンの結核対策のセンターとなる国立結核研究所

意欲を燃やす研究所のスタッフ
写真提供/JICA
技術協力
フィリピン水牛及び肉用牛改良計画
案件開始日 平成12年10月2日



1.要請背景 農林水産業が国内総生産(GDP)に占める割合は約3割であり、農林水産業に従事する人口は全就業人口の約5割である。畜産物の生産高は農業生産額の約25%を占めているが、その生産量は不安定で畜産物の自給には至っていない。農業省は水牛・肉牛部門については、国土の草資源の有効利用、貧農対策などから政策的重要分野と位置付けている。
現在フィリピンでは牛238万頭、水牛302万頭が飼育されているが、畜産開発計画である AGRIKULTURANG Maka MASA-LIVESTOCK (AML) では2004年までに家畜の飼育頭数を現在比10%増を目標としている。上記飼育頭数のうち小規模農家の割合は牛91.2%、水牛99.8%である。
こうした中、フィリピン政府は我が国に対し、水牛及び肉用牛について生産性の向上を通じて農村生活の改善を図るために、人工授精の普及率の向上、教育・研修の実施による技術者の養成、その他遺伝資源の改良に係る技術協力を要請してきた。
2.協力活動内容 1. 種畜選抜
2. 飼養管理
3. 人工授精
4. 農家向け研修の開発

技術協力
フィリピン農協強化を通じた農民所得向上計画
案件開始日 平成12年7月1日



1.要請背景 国家経済開発目標である・貧困の緩和、・不平等の是正、・生産的雇用の拡大、・持続的な経済成長、を図るため、フィリピン政府は農村部において「農地改革の推進」と「協同組合の組織化と育成」を掲げている。しかし、フィリピンの農協の現状として、組織・事業規模が零細で、かつ役員・職員の経験能力が不足しているため、経営が困難な状況に陥っている協同組合が少なくない。こうした問題の解決のため、日本の総合農協の事業方式をモデルに、モデル農協における営農指導を基礎とした販売事業、購買事業、信用事業の強化を通じ、農業所得の向上、農村女性・地域住民の雇用機会の創設を図る必要があると認識し、技術協力を要請してきた。
2.協力活動内容 1.(1) 農協組合員・未加入農家の実態調査
  (2) 既存事業の改善及び新規事業の開発・実施
  (3) マーケティング手法の策定及び実施
  (4) 信用事業及び共済事業の拡充・強化
2.(1) 販売事業及び購買事業の拡充・強化
  (2) 営農指導及び生活活動の導入・設立
3.(1) 研修ニーズ分析及び既存教材に基づく研修用教材の開発
  (2) 研修プログラムの開発と実施
  (3) 研修効果測定のためのモニタリング・評価手法の開発と実施



技術協力
フィリピン農民参加によるマージナルランドの環境及び生産管理計画
案件開始日 平成12年2月1日



1.要請背景 フィリピンでは、他の多くのアジア諸国と同様に、人口増加及び経済発展による土地需要の増大により土地不足が毎年深刻な問題となってきている。低地は既に隙間なく使われており、これから新しい農地となりうるものは台地だけであり、こう言った低肥沃土壌をもつ丘陵、急傾斜地などはマージナルランドと呼ばれている。国土の約30%を占める農地1,030万ヘクタールのうち、930万ヘクタールはこの「マージナルランド」にあたり、土壌肥沃度が低く、自然環境面でも不利な条件下にあり、物理的制限、化学的劣化、汚染された土壌を含むことから農業生産性が著しく低く、よって、貧困撲滅の観点からも開発が重視されている。
2.協力活動内容 1.(1) 農業情報システムの開発
  (2) 水資源管理技術の開発
  (3) 土壌保全システムが土壌生産性と環境特性に及ぼす影響の評価
  (4) マージナル土壌の環境保全的生産力の改善
2.(1) 台地、丘陵地及び高地に位置するマージナルランドにおけるテクノ・デモファームの立案・企画
  (2) 台地、丘陵地及び高地に位置するマージナルランドにおける適正土壌・水管理技術のテクノ・デモファームへの導入

技術協力
フィリピン治水・砂防技術力強化
案件開始日 平成12年1月10日



1.要請背景 フィリピンにおいては、台風による洪水・土砂崩れ等により、毎年平均700人以上の死者と国家歳入の2.2%にあたる80億ペソの損失が生じている。しかし、洪水・土砂崩れ等に対する防災事業を所管する公共事業道路省(DPWH)には、防災事業を専管する部局が存在しないため、防災事業は質・量ともに不十分な状態が続いてきた。
2.協力活動内容 1. 必要となる人員、予算、機材・設備等を整備する。
2. 治水・砂防施設の建設に関わる技術基準案を策定する。
3. 研修教材等を作成し、技術者に対する研修を実施する。
4. 治水・砂防施設の被災に関わるデータベースを構築する。
5. 技術改良のための調査・研究を実施する。
6. 複数の関係組織が参加する技術委員会を組織し技術基準の利用を推進する。



技術協力
フィリピン鉱山環境管理計画
案件開始日 平成11年7月1日



1.要請背景 フィリピンは、鉱物資源の豊富な国であり、鉱業セクターは、30万人の雇用を過疎地域で生み出しており地域経済上重要なセクターとされているが、鉱害関連事故が発生し、鉱山が操業停止となったり、裁判沙汰となったりしている。
2.協力活動内容 1. 水質、土壌汚染分野での鉱山環境モニタリング機能強化
2. 水質、土壌汚染分野分析技術能力の強化
3. 水質、土壌汚染分野に関わる環境保全技術の評価、指導機能の強化
4. 鉱山環境アセスメント報告書の評価機能の強化
5. 鉱山環境管理分野の教育、訓練機能の強化

技術協力
フィリピン工業所有権近代化
案件開始日 平成11年5月17日



1.要請背景 フィリピン政府は工業化による経済開発をその重点施策としており、その一環として外国からの投資・輸出促進にも力を注いでいる。そのための基盤整備として、フィリピンにおける特許ならびに商標権の権利保護体制の整備をすすめるとともに、技術者や研究者等が簡単に工業所有権に関する情報にアクセスできる環境を整備することが必要となっている。
加えて、フィリピンはASEAN共同特許庁構想において中心的な役割を担っていることから、他のASEAN諸国にも増して、上記の工業所有権に係る自国の体制整備と環境整備が急務となっている。
しかしながら、フィリピンにおける特許、実用新案、意匠、商標を含め、知的財産権行政全般を所管している貿易工業省知的財産権庁(IPO)では、従来、出願書類を紙で、かつ人力により処理しているために、外国企業からの工業所有権の権利化にも相当な時間が必要な状況であり、また、外部への情報提供等も非効率的なものとなっている。
2.協力活動内容 IPO庁内事務処理業務近代化に必要な事務処理システムの導入を目標として、特許事務処理業務の効率化に必要なデータベースと処理システムの構築を通じた人材育成に協力する。また、これまでの個別専門家派遣による商標分野における成果も最大限有効活用していく。

技術協力
フィリピン電気・電子製品試験技術協力事業
案件開始日 平成11年4月1日



1.要請背景 フィリピン共和国では、工業標準化、認証制度(PSマーク制度)の基礎となる試験技術が不十分であった。かかる状況下、貿易産業省(DTI)製品規格局(BPS)において製品試験を担当しているBPS試験所の試験機能強化を目的として、我が国に対し技術協力を要請してきた。
これに対し、我が方は、消費者保護を重視したいとの比側の意向をも勘案し、試験分野の中で電気を対象とし、そのうち照明器具・配線器具・電線にターゲットを絞った形で協力することとした。
その後、フィリピン政府としては、上記技術協力の成功をも踏まえ、広く家庭電気製品の試験検査機能をBPS試験所に付与することを目的として、新たに本協力を要請してきた。
2.協力活動内容 カウンターパートがIEC335に基づく電気製品試験及びIEC65に基づく電子製品試験並びに他の技術サービス(セミナー・研修コース等)を実施、提供出来るようになるための技術移転を主にOJTを通じて実施する。




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