グローカル外交ネット

令和5年6月16日

日本台湾交流協会台北事務所経済部

1 レセプション概要

(写真1)茨城県笠間市、沖縄県、静岡県、福島県からの出展

 日本台湾交流協会台北事務所は、令和5年2月21日(火曜日)、台北市のオークラ・プレステージ台北において、天皇陛下の63歳をお祝いする「令和4年度天皇誕生日祝賀レセプション」を開催し、日台関係をお支えいただいているご来賓の方々に参列いただきました。コロナ禍で中断を余儀なくされていた祝賀レセプションは、昨年(2022年)から再開され、今回が令和に入り2回目の開催となりましたが、鄭文燦・行政院副院長、游錫堃・立法院長、蘇嘉全・台湾日本関係協会会長、王金平・元立法院長、頼浩敏・元司法院長等台湾要人各位をはじめ、在留邦人関係者を含む、多くのお客様にご来場いただきました。また歌手で版画家のジュディ・オングさんにもご出席いただき、レセプションに彩りを添えていただきました。
 セレモニーは、当地在住声楽家足立育子様による「君が代」斉唱で厳かに幕が開き、泉裕泰・日本台湾交流協会台北事務所代表は、令和5年(2023年)は当協会設立から51年目であり、日台友情100年への一歩を踏み出した節目の年として、天皇陛下のご生誕を寿ぐレセプションを盛大に開催できますことに対し、ご来場の皆様へのお礼と日台関係の更なる飛躍を願い、邁進していく旨挨拶いたしました。
 会場では、地方自治体、台湾進出日本企業各社、日本貿易振興機構(ジェトロ)など計12ブースの出展があり、公邸料理人が握ったお寿司、また日本直送の新鮮な素材が用いられた和食や、日本酒、焼酎、泡盛などが振る舞われ、オールジャパンで食や観光等多彩な魅力を発信することができました。

2 各自治体の出展内容

(写真2)大分県・北海道からの出展、並びに日本企業ブース

 祝賀レセプションの会場内では、日本の6自治体及び企業5社のご協力によりブースを出展いただき、日本の食や産品、地方の魅力について紹介いたしました。

  • 大分県:大分県「ブランドおおいた輸出促進協議会畜産部会」より、高級な大分和牛をご提供いただき、「ローストビーフ」、「コンソメスープ」、「すき煮」など6種類のお料理としてお客様にお出しすることができ、大変好評でした。特にホテル特製の「ローストビーフ」は大人気でした。
  • 沖縄県:泡盛は600年以上の歴史を有し、その起源は現在のタイ(シャム国)から伝わってきたといわれています。濃厚な味わいと芳醇な香りが特徴的な蒸留酒です。2022年12月末現在、沖縄県内には47の蔵元があり、銘柄は1,000を超えると言われています。当日は沖縄県産業振興公社台湾事務所の皆さまより、ここ台湾でも取り扱いがある銘柄を複数ご用意いただきました。
  • 茨城県笠間市:茨城県は、栽培面積・収穫量ともに全国1位を誇る栗の産地であり、中でも笠間市は代表的な栗の産地として知られています。当日は笠間市台湾交流事務所の皆様より栗の和菓子と日本酒、そして日本三大稲荷の一つである笠間稲荷神社の狐と栗のおみくじをご提供いただきました。
  • 静岡県:富士山の麓に位置する静岡県は豊かな水源に恵まれており、県内にある27の酒蔵では名水を活かした数多くの日本酒が造られています。当日はふじのくに静岡県台湾事務所の皆様より、静岡の名酒や生産量日本一を誇るお茶を使った、ご当地清涼飲料水等を振る舞っていただきました。
  • 福島県:福島県の日本酒は、100年以上の歴史を持つ全国新鑑評会において幾度となく「金賞受賞数日本一」に輝いています。当日は福島県からお越しいただき、多くの日本酒と桃のジュースを振る舞っていただきました。
  • 北海道:北海道ぎょれんより、ほたてをご提供いただき、肉厚で旨味たっぷりのフライやお寿司をお客様に堪能いただきました。また、十勝しんむら牧場より提供いただいた本場のミルクジャムやチーズ等の乳製品、お菓子も大好評でした。

 加えて、日本政府観光局(JNTO)や計8自治体(秋田県仙北市、宮城県仙台市、千葉県成田市、愛知県、岡山県岡山市、愛媛県松山市、山口県美祢市、福岡県)のご協力も得て、各自治体の観光地や特色等を紹介したPR動画を会場内スクリーンにて投影し、また各自治体よりご提供いただいたパンフレットについて、会場内で配付を行いました。

3 今後の日台交流を見据えて

(写真3)日本企業ブース

 2022年、日本から台湾への農林水産物・食品の輸出額は約1,489億円にのぼり、国・地域別で4位となりました。また、2022年の台湾から日本への農産品の輸出額は約8億5,600万米ドルであり、台湾の農産品輸出先国の中で、日本は2位を占めています。日本と台湾は農林水産物・食品の面でも、お互いにとって重要な貿易のパートナーとなっています。
 台湾との間の人的往来については、台湾からの訪日者数は2011年以降年々増加し、コロナ前の2019年には中国・韓国に次ぐ約489万人を記録しました。人口の約5人に1人が訪日客と、日本のインバウンドにおいて台湾は非常に重要な市場となっています。2019年の訪台日本人数は約217万人と、訪日台湾人の半数以下ではあるものの同じく過去最高を更新し、日台間の相互往来人数は700万人を突破し非常に活発な交流がなされていました。2020年以降は新型コロナウイルスの影響により、日台間の交流人口が大きく落ち込みましたが、昨年10月の日台双方における水際措置の大幅緩和に伴い増加傾向にあり、2023年1~3月の台湾人海外旅行者数は日本訪問が最多となった他、同期間の訪台日本人数も韓国に次いで2位となる等回復が見られます。また航空会社等のご尽力により、昨年10月以降地方路線を含めた日台間航空便の復便も進められており、今回の祝賀レセプションは台湾からの訪日復活に向けた、良いPRの機会となりました。
 当協会といたしましては、日本政府関係省庁や地方自治体と緊密に連携し、日台双方の関係者ニーズを汲み上げつつ、イベント活動やSNS等を活用した、食や観光スポットなど地方の新たな魅力の掘り起こし、発信に努め、日台相互交流人口の増大や地方部への誘客推進等に取り組んでまいります。

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