グローカル外交ネット
地域の魅力オンライン発信事業
(福井県と駐日ベトナム大使館)
外務省地方連携推進室

3月25日、福井県と駐日ベトナム大使館をオンラインでつなぎ、福井の魅力をPRする「地域の魅力オンライン発信事業」を実施しました。
駐日ベトナム大使館側は、ヴー・ホン・ナム大使(H.E.Mr. VU HONG NAM)始め、公使、大使秘書が、福井県側は杉本知事始め、交流文化部長、国際観光室長が出席しました。福井県は観光・伝統工芸・食の3分野からスライド写真を用いて魅力をPRし、同館と意見交換を行い交流しました。
冒頭挨拶
冒頭、杉本知事より、県内在住の約3千人のベトナム人が、技能実習などで県内の産業に貢献していることを紹介しつつ、今後、経済活動を含む幅広い分野で人的・文化的交流や協力関係を活性化していきたく、また、新型コロナウイルスの収束後には、多くのベトナム人に観光で来県して頂きたいとベトナムに対する期待が伝えられました。また、豊かな自然と美味しい食材に囲まれ、都道府県幸福度ランキング全国一位の福井の魅力を紹介する今回の交流を機に、ベトナムとの友好関係を一層発展させていきたいと述べられました。
杉本知事からのご挨拶を受けて、ヴー・ホン・ナム大使からは、約3千人もの多くのベトナム人が福井県で生活していることは、「良い土地は良い人を呼ぶ」という、まさにベトナムの諺の通りであると返されました。大使からは、今後、福井県とベトナム国内の各地方自治体との交流や教育活動が一層活発になることを期待するとともに、大使館として、福井県とベトナム国内の各地方自治体との協力関係推進の懸け橋の役割を果たしていきたいと伝えられました。
観光PR

観光の見どころとして、福井県側より、巨大な柱状の岩が約1キロメートルに渡って連なる、国の名勝・天然記念物指定の「東尋坊」、世界三大恐竜博物館の一つにも数えられる「福井県立恐竜博物館」、5つの湖それぞれが水深と塩分濃度が異なっていることで違った青色を見せる「三方五湖」、その三方五胡の自然美を堪能できる全長約11キロメートルのドライブウェイ「レインボーライン」、360度の大パノラマを楽しめる天空のテラスや足湯、色とりどりのバラが栽培されているバラ園がある「山頂公園」が紹介されました。
ベトナム大使館側からは、特に綺麗な東尋坊の景色を実際に見に訪れたい、また、ベトナム人が雪好きであることから冬の旅行もベトナム人にお勧めしてみたいとコメントがありました。
伝統工芸PR
鯖江市が主産地の伝統工芸品「越前漆器」について、福井県側が、産地全体での分業体制のもと、工程毎に専門の職人が作業を行うという特徴があり、そのことで丈夫さと安定した品質の維持と、高い生産能力に繋がっていると紹介しました。高級品から普段使いの日用品まで時代のニーズに合わせたものづくりが行われているとのことです。
ベトナム大使館側は、越前漆器の蒔絵を施したボールペンを実際に手に取られ、その精巧な美しさに驚かれるとともに、漆の絵付け体験キットを用いて作品作りに挑戦したいとコメントがありました。さらに、漆の伝統工芸を行っているベトナム国内の地方と福井の産地が今後交流を行ってみてはどうかという提案もあがりました。
食PR

冬の味覚の王様と呼ばれる「越前ガニ」、石窯を使って一枚一枚焼き上げられるピーナッツ入りのせんべい「五月ヶ瀬」、蒸した餅米の粉と砂糖と水飴で作られたお菓子で福井名産の絹織物の別名「羽二重」が名前の由来となっている「羽二重餅」、水分が多く柔らかいことが特徴で冬を旬とする「水ようかん」、特産の鯖を使用したおつまみ、県産の名酒などが紹介されました。
ベトナム大使館側は、その場で試食を行い、五月ヶ瀬について、「ベトナム人が大好きな味です」、羽二重餅に対しては「ふわふわもちもちで、甘過ぎず大好きです」、水ようかんに対しては「糖分が抑えられていて食べやすく、とても美味しい」と、いずれも大好評でした。
終わりに
最後にラム・タイン・フォン公使から、福井を訪れたくなったという感想が伝えられるとともに、今回のPRを通じて、ベトナムの地方と福井県との共通点や、越前ガニや酒等の輸出の可能性、福井の綺麗な景色や食文化、雪を体験できるベトナム人向けのツアーを作ってほしいなどのメッセージが伝えられました。福井県交流文化部長からも今後の双方の積極的な交流を期待する言葉が伝えられました。
オンラインで初めてつながった今回の交流を一つの契機として、今後、福井県とベトナムとの間で新たな交流が生まれ進展していくことが大いに期待できる、充実した1時間になりました。