グローカル外交ネット

令和3年5月18日

在ジャマイカ日本国大使館
土生川 正篤

(写真1)藤原大使(左)カミナ・ジョンソン・スミス・ジャマイカ外務・貿易大臣(右) 藤原大使とカミナ・ジョンソン・スミス・ジャマイカ外務・貿易大臣

 2021年2月23日、天皇陛下の61歳の誕生日をお祝いするため、在ジャマイカ日本大使公邸において、天皇誕生日祝賀レセプションを開催しました。
 例年、このレセプションでは、政府要人や日・ジャマイカ関係に貢献されている方々を200名以上招待して催していますが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、これまでとは全く様相の異なった中での開催となりました。ジャマイカ政府の新型コロナ対策の一環で、集会は10名以下に人数が限定されるため、当館主催のイベントにおいても、この規則を厳格に遵守しました。当館からは藤原大使他館員若干名、ジャマイカ側の出席者は外務・貿易大臣、同国務大臣、同事務次官、当地外交団長、ジャマイカオリンピック協会(JOC)会長、当地に本部を置く国際機関である国際海底機構(ISA)事務局長のみに限定した上で、消毒、マスク、会場の換気といった予防策を十分に執った上で開催しました。
 他方で、毎年このレセプションへの参加を楽しみにしてくださっているジャマイカの方々や在留邦人のために、事前にオンライン・レセプションへの招待状をお送りした上で、ライブ方式でレセプションの様子を配信、両国国歌演奏、藤原大使及びスミス・ジャマイカ外相のスピーチ等を視聴頂くとともに、ジャマイカのウエストモアランド県と姉妹都市関係にある鳥取県から送られた同県のPRビデオを、レセプション会場で上映しました。これらは、オンラインでも配信し、このコロナ禍の中で、レセプションに招待できなかった関係者の皆様にも楽しんで頂くことができました。

(写真2)談笑する様子 1964年東京オリンピック・ジャマイカチームの写真前で談笑する藤原大使、スミス外務・貿易大臣とサミューダ・ジャマイカ・オリンピック協会会長

 鳥取県とジャマイカの関係については、昨年12月、同県からジャマイカの陸上連盟にハードルの寄贈を頂くなど、交流は非常に活発で、今年開催される東京オリンピックでは、鳥取県は特に陸上競技で多くのメダルが期待されるジャマイカのホストタウンにもなっています。
 レセプション会場には、今年の東京オリンピック・パラリンピックのマスコットと隣り合わせに、1962年に独立したジャマイカが独立後初めて参加したオリンピックである1964年の東京オリンピック開会式の際のジャマイカチームの入場行進の写真も展示し、ジャマイカ側招待者からは大変喜ばれました。今上天皇となり、祝賀レセプションが2月になったことを受け、日本の伝統文化である雛人形を会場に飾り付けました。日本酒コーナーも設置し、日本の食文化についても紹介する良い機会となりました。
 また、同23日発行の当国主要新聞2紙のそれぞれ1面に、天皇皇后両陛下のお写真、藤原大使、スミス外相からのメッセージとともに、日ジャマイカ両国間の緊密な関係を示す様々な写真を掲載しました。これにより、日・ジャマイカ首脳会談時の写真や、(現在はコロナ禍で日本に帰国していますが)JICAの海外協力隊員の当地での活動の様子、空手やコスプレなど日本文化を紹介するイベントで毎年1000名単位の来場者が押し寄せるジャパンデー、日本の小中高校で英語を教えるJETプログラムに参加しているジャマイカ人教師の活動の様子などの写真をジャマイカの人々に広く紹介することができました。

(写真3)モニター(左)雛人形(右) 鳥取県PRビデオ上映セクションと雛人形

 ジャマイカにおいても新型コロナウイルスの感染拡大が続き、政府による集会人数規制が厳格に実施される中、昨年7月に当地カナダ大使館が非常に小規模のナショナルデーレセプションを開催して以降、いずれの大使館も実施を見送っていましたが、今回、規模を縮小した対面式の開催形式にオンライン及び紙面掲載も組み合わせたハイブリッドな形でレセプションを開催したことは、両国関係の結びつきを更に強化するためにも大変意義深いものであったと考えます。当館にとっても経験のない形での開催となったため、毎年の恒例行事とは異なった試行錯誤がありましたが、準備段階も含めチャレンジングな経験を得られることにもつながりました。
 とは言え、来年のレセプションでは、以前のように、多くの方々にご出席頂けるような環境に戻っていることを切に願っています。

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