1.会合の概要
(1)日程・場所
7月16~17日 於:ドイツ・ベルリン
(2)主催
ドイツ・カタール両政府(共同議長:アルトマイヤー・ドイツ環境・自然保護・核安全大臣,アティーヤ・カタール行政監督庁長官)
(3)出席者等
参加国:ドイツ・カタール及び以下の国・地域・国際機関等(太字は閣僚が参加)
豪州,バングラディシュ,ブラジル,中国,コンゴ民,エクアドル,欧州委員会,キプロス,フランス,ガンビア,グレナダ,インド,インドネシア,メキシコ,ナウル,NZ,ノルウェー,ポーランド,韓国,ロシア,サウジアラビア,シンガポール,南ア,スワジランド,スイス,英国,米国,ベネズエラ,国連気候変動枠組条約事務局,AWG-LCA副議長,AWG-KP議長,ADP議長
日本からは横光環境副大臣,平松外務省地球規模課題審議官,菅原経済産業省産業技術環境局長,梶原環境省大臣官房審議官他が出席。
2.議論の概要
(1)主な議論
ドーハCOP18で目指すべき成果とそれに向けた道のり,2020年以降の新たな枠組みの姿,各国の取組の強化等の論点について,率直かつ建設的な議論が行われた。
ドーハで目指すべき成果については,京都議定書第2約束期間の設定やAWG-LCAにおける議論の集約,2015年までの合意に向けたADPの議論の前進等が挙げられた。
2020年以降の新たな枠組みの姿と各国の取組の強化については,2℃目標とのギャップを埋めるために世界全体で更なる努力が必要であるとの認識が参加者間で共有されるとともに,気候変動枠組条約や京都議定書が合意された1990年代と現在との状況の違いや,衡平性の確保に関する考え方,新たな枠組みの要素等について議論が行われた。
(2)メルケル首相の基調講演
途中メルケル首相による基調講演が行われ,以下の点について指摘があった。
- 法的拘束力ある合意に向けた決定がなされたことが昨年のCOP17の成果。新たな合意までの空白期間が長期化しないようにするための政治的意思が必要。
- 成長の持続可能性が重要であり,成長率等の数字は後からついてくる問題。リオ+20やロスカボスサミットでも議論になったように,成長と資源消費のデカップリングを進める必要があり,そのためにはエネルギー供給のあり方の転換が必要。
- 対策にはコストがかかるが,代償を払っていかなければならない。
- 気候変動対策の努力を各国が継続していくとともに,途上国に対する財政支援等も進めていくことが重要。
(3)我が国の発言
我が国からは,横光環境副大臣より,世界情勢の変化を踏まえてすべての国が参加する公平かつ実効性のある法的枠組みを構築していくことが重要である旨述べるとともに,COP18においては「2015年の法的枠組みに関する合意に向け,交渉の基礎的なアレンジメントを整えた」とのメッセージを発信することが重要であること,そのために既存の2つの作業部会(AWG-KP,LCA)の作業を今年で終了させ,来年以降のADPにおける交渉の段取りについて認識を共有することが必要であること,今年のADPでは幅広いステークホルダーを招いて意見交換のためのワークショップを開催することが有益であると考えていること等COP18の成果に関する我が国の考え方を説明した。
また,東アジア低炭素成長パートナーシップや二国間オフセット・クレジット制度,リオ+20の際に発表したイニシアティブ等我が国が進めている国際的な取組を紹介した。
更に,エネルギー・環境政策の見直しや再生可能エネルギーの固定価格買取制度及び地球温暖化対策のための税の導入等国内の状況についても説明した。
(4)その他
上記のほか,会合の合間に各国参加者との意見交換等を行った。