地球環境

気候と森林に関するオスロ会議(結果概要)

平成22年5月27日
日本政府代表団

1.会合の概要

 5月27日、オスロにおいて、ストルテンベルク・ノルウェー首相、ユドヨノ・インドネシア大統領の共同議長の下、55か国代表(うち、首脳級8か国、閣僚級28か国)が参加して標記会議が行われた。会議には、英国よりチャールズ皇太子、ノーベル平和賞受賞者マータイ女史も出席、関係国際機関、NGOや原住民代表も多数参加し、森林の減少及び劣化に由来する排出の削減(REDD+)を実施するための「パートナーシップ」構築が合意された。日本からは福山外務副大臣、宮川外務省国際協力局審議官他、林野庁、環境省より担当官が出席した。

2.議論の概要

 (1)会議全般

  • 本会議は、「コペンハーゲン合意」にREDD+の制度の早期設立が盛り込まれたことを受け、3月のフランス政府主催の閣僚級会合での議論を引き継ぎ、開催された。
  • 本会議では、2012年までのREDD+の取組(支援、キャパシティ・ビルディング、国家計画策定努力等)を強化すべく国際社会の協調・連携を図るための「パートナーシップ」構築が合意され、パートナーシップの目的、基本原則、運営方式等を定める文書が採択・発表された。
  • 本会議においては、先進国より2012年までのREDD+に係る短期的支援額として、40億ドルが表明された(我が国を含む計6カ国がCOP15で表明した35億ドルを含む)。
  • 我が国及びパプアニューギニアが、本年12月までの期間のパートナーシップ共同議長国に選出され、明年1月からの共同議長に選出された仏及びブラジルとも連携しつつ、パートナーシップを運営していくこととなった。

 (2)日本の貢献

  • 我が国が、10月に名古屋で開催する生物多様性条約第10回締約国会議とあわせて行う「森林保全と気候変動に関する閣僚級会合」に対しては、各国から歓迎と期待が表明された。
  • 福山副大臣は、スピーチの中で、鳩山イニシアティブの一環として表明した5億ドルのうち、既に1.6億ドルを実施したこと、最終的には全ての主要国が参加する公平かつ実効的な新しい一つの包括的な法的文書の採択を目指すべきこと等を訴えた。

 (3)二国間会談等

  • 福山副大臣は、ソマレ・パプアニューギニア首相、ソールハイム・ノルウェー環境兼開発援助大臣、ラーンスタイン・ノルウェー外務副大臣、エルビラ・メキシコ環境天然資源大臣、ボルロー・フランス・エコロジー・エネルギー持続可能開発・海洋大臣、エンドゥンド・コンゴ(民)環境・自然保護・観光大臣、バーカー・イギリス・エネルギー気候変動担当閣外相、マレス・カンボジア環境大臣、ニー・ベトナム農業・農村開発副大臣、シャルマ・インド環境森林省次官、ソロス・ファンドマネージャー等とバイ会談を行ったほか、滞在中、ラスムセン・デンマーク首相、ヘデゴー欧州委員会委員、パーシング米国気候変動副特使、ゴメス・ペルー天然資源副大臣を含む各国からの出席者とも会議を行った。
  • バイ会談においては、本会議の成果を如何に10月の閣僚級会合に繋げていくか、また一連のREDD+に係る前向きな動きを如何に国連交渉プロセスに反映させていくか、COP16で期待する成果、今後の気候変動交渉の進め方等につき幅広く意見交換を行った。
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